震災遺族の祈りの場所に 宗教超え、石巻市に 「祈りの杜」完成 2014年5月24日

 東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県石巻市で、宗教の垣根を越えた祈りの場所として、浄土宗西光寺の墓地の駐車場一角に「祈りの杜」がつくられた。

 「祈りの杜」は、津波と火災で廃墟になった門脇小学校に隣接する場所にある。同寺の副住職・樋口伸生氏が、遺族と慰問者のための祈りの場所を作りたいと、2年前から呼びかけてきた。被災地支援のため毎月石巻を訪問している岩村義雄氏(「阪神宗教者の会」世話人代表、神戸国際キリスト教会牧師)らと構想について話し合い、ボランティアの手によって今年の3月9日に完成。遺族らによって管理されている。

                 

 約190平方㍍の敷地に舗装石が敷かれ、イヌツゲの植え込み一つひとつの中に、神道、仏教、イスラム教など各宗教のモニュメント計10個が設置された。キリスト教では、日本聖書協会からステンドグラスの十字架=写真上、イエスのカリタス修道女会からピエタ像=同下=が寄贈された。

 十字架は高さ35㌢、重さ4㌔。壁画工房101(滋賀県甲賀市)代表の田ヶ原弘氏によるもの。モニュメント設置の依頼を受けた日本聖書協会が、作品を販売している縁で同氏に制作を依頼した。

 ピエタ像は高さ65㌢。制作者は不明。カリタスジャパンの石巻ベースで昨年4月から1年間ボランティア活動をしてきた同修道女会シスターの梅原キマヨ氏が依頼を受け、修道院所蔵のピエタ像を寄贈した。

 4月22日のセレモニーには、樋口、岩村、田ヶ原、田畑隆平(石巻ハリスト正教会司祭)、大國龍笙(伊去波夜和氣命神社宮司)、アニース・アハマド・ナディーム(日本アハマディア・ムスリム協会本部長)、菊池義弘(日本聖書協会募金部主任=写真提供)の各氏らが参加した。

 岩村氏の話=僧侶、神主、他の宗教者と死者の前で顔を合わせました。「みんなが共感する宗教観とは」と自問しながら、大震災から立ち上がろうと、敵を敵とする今までの視座を否定します。悔い改め(転換)です。縁を結う和解が生えました。

 

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