医療だけでなく平和を作る JOCSに第20回エキュメニカル功労賞 2014年5月24日

 日本エキュメニカル協会(JEA、松山與志雄理事長)が毎年顕彰している「エキュメニカル功労賞」の20回目となる顕彰者に、日本キリスト教海外医療協力会(JOCS、小島莊明会長=写真)が選ばれた。JEAが制定する「エキュメニズムの日」である4月29日、日本聖公会牛込聖公会聖バルナバ教会(東京新宿区)で顕彰式が行われた。

 JOCSは1960年創立。「みんなで生きる」平和な社会の実現に寄与することを目的に、保健医療従事者(ワーカー)のアジア・アフリカ諸国への派遣、奨学金支援、協働プロジェクトを通じて海外保健医療協力を行っている。

 2012年度はバングラデシュ、タンザニア、パキスタンに計8人のワーカーを派遣。87人に奨学金を支給した。

 また、今年で50周年を迎える「使用済み切手運動」では、使用済み切手を収集家に買い取ってもらい、換金して海外の保健医療事情の向上に役立てる活動を行っている。

 講演した小島氏は、「今日の日本を見ると、『強い日本、美しい日本を取り戻せ』という政治のリーダーの合言葉のもとに、かつての戦争の悲惨さを忘れ、近隣諸国に対して犯した罪をまったく反省することをせずに靖国に詣でるという政治のリーダーたちの姿を、わたしは非常な憤りを持って見ている」と述べ、恐怖政治を敷き、秘密国家主義へと進んだかつてのドイツの姿と重ね合わせた。

 ナチス時代に精神障がいの名のもとに25万人以上が犠牲になったことを覚え、2010年11月、ドイツ精神医学精神療法神経学会が犠牲者を追悼し、家族に謝罪したことに触れ、「それに反して日本の医学界は、戦争中に行った、例えば731部隊における人体実験や細菌戦争を隠ぺいしたまま、まったく反省せずに今日に至っている」と指摘。

 「保健医療、『人のいのちを大切にする』という職業に就いている者であるならば、その癒しのわざは、平和がないために打ち壊されているということに対して、直接的な医療の問題だけではなく、多くの心ある人々とともに手を結び合って、平和を作り上げなければいけないのではないか」と訴えた。

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