神が創造物破壊する悲しみ描く 映画『ノア 約束の舟』 アロノフスキー監督 2014年6月7日

 各国で話題となった米映画『ノア 約束の舟』。日本では6月13日からロードショーだが、これにあわせてダーレン・アロノフスキー監督(45)が来日=写真。5月14日、都内で記者会見を行った。渦を巻く洪水に方舟をイメージしたようなセットに現れたアロノフスキー監督は、「神が自分の創造物を破壊することの悲しみを描いた」と語った。

 『ブラック・スワン』(2010)や『レスラー』(08)など、斬新な映像センスと奥深い人間の心理表現が持ち味のアロノフスキー監督は、「ノアの方舟」を作品化したことについて「これは偉大な、何千年も伝えられてきた話。聖書をあまり知らなくても、世界各地に洪水にまつわる伝説は残っている。水は、生命にかかわる、破壊と再生を示すものだ。これまで大作映画になったことはなかった」と述べた。

 アロノフスキー監督は13歳のとき「平和」についての詩を書くという課題で、ノアをテーマにした詩を提出した。それが高い評価を得て、国連のコンテストで優勝。「この出来事は、わたしがストーリーテラーの道を目指すきっかけになった。今回、その課題を与えてくれた先生を見つけだして、彼女には映画にも出演してもらった」と話し、30年越しの夢の実現を明かした。

 また、アロノフスキー監督は、「地球上でノアを演じられる俳優は、ラッセル・クロウしかいない」とし、「この話はいろいろな奇蹟が起こるが、リアリティを持って演技できる俳優が、ラッセルだった。『グラディエーター』以降、彼はヒロイックで抒情的なキャラクターを演じていなかったから」と答えた。

 さらに、映画に登場する方舟について問われると、「聖書の記述どおりに忠実な方舟を6カ月かけて再現した」。「ノアの話はファンタスティックなものだから、俳優たちにはスケール感を与えたかった。床も丸太でできていて、すごく危険であったりする。俳優たちにとってもチャレンジングだったと思う」と振り返り、使った木材も大量であったが「自然に対するメッセージも込めて描いているので、全部リサイクルだ」。

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