平和の福音宣べ伝える使命 渡辺信夫氏「戦争反対のために生きる」 2014年7月19日

 沖縄基地問題や戦争責任の問題に取り組んできた渡辺信夫氏(日本キリスト教会東京告白教会前牧師)が、「私はどうして戦争反対のために生きるのか」と題して6月29日、神奈川県の日本キリスト教会横須賀教会で講演した。安倍政権のもと日本が戦争へ向かうことに危機感を抱いた同教会が「平和に関する講演会」として企画。50人が参加した。

 1949年に牧師になった渡辺氏は、「わたしにとって牧師として仕えることと、教会の内外で平和を語り平和を守護することは、同じ根から出ている」と主張。戦争に参加したことへの反省を戦後はっきりと自覚し、平和のために生き、平和の福音を宣べ伝える使命のために生きようとしてきたと語った。

 「権力を持つ者はもともと、情報を偽って流す体質を持っている。目覚めて、昔も今も偽りのない社会を作っていかなければならない」とし、「平和だ」「戦争は過去のものだ」と考えているときに、潜在的に戦争の準備が進められているのだと述べた。

 また、「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない」(ヨハネ15・13)という言葉を、教会は戦時中に曲げて解釈してきたとし、「キリストの死を棚上げして、『日本人同朋のために犠牲になるのは愛なのだ』というすり替えに乗ってしまった。しかし、銃弾や魚雷にあたって死ぬことは『友のための死』とすり替えにできない戦死ではないか。それを意味のある死とすり替えて自己満足することは愚かなことだ」と主張した。

 43年に横須賀第二海兵団に入団した同氏。翌年予備役少尉になり沖縄へ向かった。米の積み込みのため台湾へ行った帰り、同氏の乗る艦船の左を走る艦船に魚雷が命中。遭難者の救助にあたり、15歳の少年を救い上げたが、息も絶え絶えで、手を尽くしたが亡くなり、手厚く葬ったという。

 「戦争で死んだ人は、生き残った人がこういう死をもう二度とさせませんと誓って戦争をしない努力をしない限り意味がない」とし、「意味のないむなしい死を遂げる人が出ないように頑張っていくしかない。わたしの思いに共感していただきたい」と訴えた。

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