ヘイトスピーチに10団体が抗議 学生逮捕に「深い悲しみと憤り」 2014年8月2日

 7月6日に東京・西早稲田の日本キリスト教会館を対象にヘイトスピーチのデモが行われた(7月19日付既報)ことに対し、キリスト教10団体が16日、共同で抗議声明を発表した。

 声明は、デモを主催した「外国人犯罪撲滅協議会」が、日本キリスト教会館とキリスト教視聴覚センター(AVACO)を「朝鮮カルト」と名指ししたことについて、「全くの事実誤認にもとづく名誉毀損行為」と主張。「この行為は在日韓国・朝鮮人をはじめとする在日外国人に対する、日本が既に批准している人種差別撤廃条約によって禁止されている差別行為であり、立法を含むすべての適当な方法により禁止し終了させられるべきものであることは明らか」と述べた。

 また、ヘイトスピーチに対する抗議行動に加わった学生が逮捕されたことに「深い悲しみと憤り」を表明。次の4項目を求めた。

 ①私たちは、今回の人種的差別を煽動する行為を行った者に対して抗議します。そして、他者の生命と身体に対する直接的な危害の煽動を直ちに中止し、ヘイトスピーチによって実際に危害を加えたことへの謝罪を求めます。

 ②私たちは、集会場所として西戸山公園の使用を容認した自治体や、デモ参加者の誘導、抗議行動への警備を行った警察に対して抗議します。「差別のあらゆる扇動または行為を根絶することを目的とする迅速かつ積極的な措置をとること」(同条約第4条)を求められている公的機関が、二度とヘイトスピーチを目的とする集会やデモの申請に応じないことを強く求めます。

 ③私たちは、警察によって不当に逮捕された学生の即時釈放と共に、警察によるこのような人権侵害が二度と繰り返されないことを求めます。

 ④私たちは、日本政府に対して、日本が既に批准している人種差別撤廃条約に基づき、憎悪・差別的言動の被害者救済を含む人種差別撤廃・人権擁護のための早急な法整備を求めます。

 10団体は次の通り。外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会(外キ協)、日本キリスト教協議会在日外国人の人権委員会、日本カトリック難民移住移動者委員会、日基教団在日韓国朝鮮人連帯特設委員会、在日大韓基督教会社会委員会、日本聖公会正義と平和委員会、日本聖公会人権問題担当者、日本キリスト教会人権委員会、日本バプテスト連盟日韓・在日連帯特別委員会、日本バプテスト同盟宣教部

 

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