秘密保護法とどう向き合う 委縮せず情報公開請求を 2014年8月9日

 昨年12月に成立した「特定秘密保護法」。同法によって教会の信仰告白と宣教活動の自由に対する侵害がもたらされる恐れがあるとして、日本キリスト教会東京中会靖国神社問題特別委員会(木村治男委員長)が弁護士の井堀哲氏(安倍靖国参拝違憲訴訟の弁護団事務局長、日本バプテスト連盟八王子めじろ台教会会員=写真)を招き、「特定秘密保護法の闇――教会はこの法律とどう向き合うのか」と題する講演会を7月18日、同教会蒲田御園教会(東京都大田区)で開催した。約30人が出席した。

 同氏は特定秘密保護法について、秘密の範囲、秘密の期間、人的管理・適性評価、罰則強化という四つのポイントを解説。

 特定秘密の有効期間は5年が上限だが、更新可能(30年)で、内閣の了解で最大60年の秘密指定が可能であり、七つの項目に関しては60年を超えて永遠に秘密の指定が可能であることなどを説明した。

 2007年~2011年の防衛秘密の指定5万5千件のうち、秘密指定が解除されたのは1件で、4万3千件が廃棄されたことを示した上で、「秘密指定して、ある一定期間が過ぎたら廃棄、ということになりかねない。秘密指定された後に、その秘密を保護するのであれば、それをしっかり記録にとどめさせるという活動がむしろ我々にとって重要ではないか」と提言。「秘密指定させないことや情報公開請求することも重要であるが、廃棄したら闇の中。それをさせない努力が絶対的に必要」と強調した。

 また、同法の問題点として、①何が秘密か分からない、②なぜ秘密にすべきなのか分からない、③いつまで秘密なのか分からない、④いつ、誰が、いかなる理由で調査されるのか分からない、⑤何が処罰の対象か分からない、⑥知る権利(メディアを含めた)の侵害――という6点を指摘。

 安倍政権が強調する「愛国心」「武力による平和」「スパイ防止」という考え方は、キリスト教の「神への愛、隣人愛」「平和主義」「国際協調主義」に反するものだとし、「礼拝を守ったり信仰に基づいて行動をとることが、特定秘密の秘密に抵触する可能性がある」と危惧。教会が調査を受ける可能性についても言及した。

 「このような法律ができてしまった後で、わたしたちは何に従って戦うのか。『国の法律だから守りましょう』という発想になってよいのか」と問い、「戦争に向かうであろう国家の動きや、秘密を隠して民主主義を破壊したり、情報収集して人のプライバシーを暴いたりする動きに対して、毅然として〝ノー〟と言っていくことが必要」と主張。

 「一番怖いのは委縮してしまうこと」と述べ、あきらめずに情報公開請求していくことが大切だと強調した。

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