聖公会、原発問題の小冊子発行 原子力依存転換、再生可能エネルギー追求 2014年8月9日

 日本聖公会「原発と放射能に関する特別問題プロジェクト」(野村潔運営委員長)がこのほど、小冊子『原発問題についてのQ&A』=写真=を発行した。
 
 冊子は、原発、放射能、電力エネルギーなどについて基礎的な知識を教会内外で共有したいとの願いから、同プロジェクトの研究広報チームがまとめ、NPO「チェルノブイリ救援・中部」理事の河田昌東氏が監修した。
 
 「なぜ教会は原発問題を取り上げるのか」「原子力発電とはどういうもの(原子力の平和利用はありうるのか)」などの疑問から始まり、「原発のコストは安いのだろうか」「原発は雇用を生み出し、地域を活性化させるのだろうか」「原発労働者の実態はどのようなものだろうか」といった疑問について、図表なども用いながら問答形式で問題を整理している。
 
 最後の「反省と課題」では、1950年代に立教大学が米国から原子炉の提供を受けた時、日本聖公会が積極的にその労をとり、「原子力平和利用」を進めたことを振り返り、「事実をきちんと批判的に見つめ、反省し、そこから新しい歩みをはじめないかぎり、今後の対応のあり方を見誤ることになる」と強調。原子力依存を転換し、再生可能エネルギーを追求することを提言している。
 
 「はじめに」で同プロジェクトの岩城聰氏は、2012年の日本聖公会第59(定期)総会で決議された声明「原発のない世界を求めて――原子力発電に対する日本聖公会の立場」(冊子にも資料として収録)に言及し、声明についての議論がまだ十分に深められていないと指摘。
 
 「さまざまな意見が教会にあるのは当然です。中には、原子力発電に反対ではない方もおられるでしょう。しかし、すべての人々に関わるこの問題の性質について学び、議論を深め、キリストの福音の立場とは何なのかを話し合うことはとても必要なことではないでしょうか」と述べ、冊子をたたき台として利用することを呼び掛けている。
 
 冊子は1部50円(送料別)。問い合わせは、同プロジェクト事務局長の池住圭氏(郡山聖ペテロ聖パウロ教会セントポール会館・℡024・953・5987)まで。

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