歴史的教会に響かせたい鐘の音 三里塚教会に鐘を贈る会 2014年10月25日

 建築家吉村順三の若き日の作品、三里塚教会には鐘楼はあるが、そこに取り付けられるはずの鐘は設置されず=写真=今日に至った。千葉県成田市にある1954年に建築されたこの教会は、成田国際空港建設など激動の時代を共に生き続け、時代の証言者としての価値も合わせ持つ。この教会の鐘楼に鐘を設置し、本当の意味での教会の完成を目指したいとの思いで立ち上げられた三里塚教会に鐘を贈る会は、今年の3月に活動をスタートした。

 吉村は1908年東京市に生まれ、東京美術学校(現東京藝術大学)建築科へ進んだ。建築への目覚めは早く、13歳で「小住宅設計懸賞」に2案応募し、入選と選外佳作になっている。同美術学校在学中からアントニン・レーモンドの建築設計事務所で働き始め、レーモンドの米国事務所で働くため40年に渡米。翌年、日米開戦前に帰国し吉村設計事務所を開設。62年に東京藝術大学建築科教授に。97年逝去するまでに数々の名建築を残した。

 三里塚教会の時代の証言者としての面は、66年に三里塚、芝山地区が国際空港建設計画地となり、それに対抗して反対同盟が結成され信徒の戸村一作が代表となる。54年に建築された同教会は戸村の時代の農地開拓の時代を背景として、吉村が心豊かな祈りの空間を作り出すことに精神を注いだ作品だが、予算の関係で鐘は設置されないできた。

 同贈る会代表の川北英氏(ギャラリーエークワッド館長)は「年代を経たら取り壊すというだけではなく、建築を文化として捉える視点も大切では。華々しい建築ではなくとも価値のある建物に目を注いでいきたい」と話し、目標額は近いとのこと。

 問合せは、事務局、岡部(℡03・6660・6011)。寄付は一口100円単位で送金先は、振込み口座、三菱東京UFJ銀行 枚方支店。普通0242036。カネヲオクルカイ。

 

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