孤児たちが健全に育つ社会を 「世界孤児の日」制定目指すフォーラム 2014年11月15日

 来年の国連設立70周年総会で「世界孤児の日」が制定されることを願って、「代替養育が必要な児童のための世界孤児の日制定推進ハイレベルフォーラム」が10月27日、日本財団会議室(東京都港区)で開催された。

 「韓国孤児の母」と言われる田内千鶴子(1912~1968)の長男で、国連世界孤児の日制定推進提唱者の田内基氏(社会福祉法人「こころの家族」理事長)があいさつし、英国上院議員のデイビッド・アルトン氏が基調講演を行った。また、スリランカ、日本、韓国、マラウィ、米国の専門家が発表を行った。

 日本からは阿部志郎氏(神奈川県立保健福祉大学名誉学長=写真)が、「日本の子ども―特に震災で被災した―の状況と課題」と題して発題。「子どもは愛されなければならない。愛されるべき存在だ。愛された子どもは愛する人になる」と述べ、親に愛されない子どもが愛する人になるのは難しいと語った。

 95年の阪神大震災では68人の孤児が生まれ、2011年の東日本大震災では241人の孤児が生まれたが、その90%以上が親族に引き取られたとし、「震災のような危機に直面すると、『血』の流れが生きる。この血縁関係を否定してはならないと思う。これが日本、そしてアジア社会の特色でもある」と話した。

 また、震災を通して「人の厚意を受けたらお返しをする」「困っている時は『お互いさま』と助け合う」という「互酬」が機能したとし、「これが日本、アジア社会の姿だ」と強調。「この互酬を社会化し普遍化することによって、これからの子どもたちは守られていくのではないか」と訴えた。

 そして、「国家、民族、宗教、差別を超えて皆で苦難を分かち合う。そういう社会を作ろうではないか。その中で孤児を包んでいこう。自分の子どもを愛するように、同じ神の子である孤児に皆で愛情を注いで、一人ひとりが健全に育つ社会を作りたい」と、今回の運動の趣旨を強調した。

 今回のフォーラムは、田内千鶴子生誕100年を記念して12年10月に韓国で行われた「国連『世界孤児の日』制定推進大会」を受けて開催された。阿部氏が会長を務める「田内千鶴子生誕100周年記念事業会」が主催した。

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