教皇と世界福音同盟の使節が会見 福音派とローマ・カトリック関係の新時代へ 2014年11月22日

 教皇フランシスコは11月6日、カトリック教会と福音派共同体双方の共通の関心事である地球規模の問題に関し協力可能な領域について討議するため訪問した世界福音同盟(WEA)の使節と会見した。使節はWEAのジェフ・タニクリフ総幹事ら代表者からなるグループ。会見にはバチカン(ローマ教皇庁)キリスト教一致推進評議会の幹部も同席した。

 タニクリフ総幹事は、演説で「福音派とローマ・カトリック関係の新時代」に導けるような明確な行動概要を示し、「わたしたちはそれぞれの伝統の間における違いを認めるが、それでも過去に共有してきた共通の務めを確認し、それらの上に立つことができるよう祈る」と語った。

 福音派は、「ペンテコステの諸伝統、改革派、バプテスト、単立などの人たちや教会を含む非常に多彩な集団」としてタニクリフ氏は、「わたしたちは、主イエス・キリストへの共通の信仰と、神の国に仕える願いを共にしており、個人の霊的な革新や変容を促す心、そしてイエスを全世界に知らせる情熱を持っている。キリストに従うことを求める点で、わたしたちは今を福音派とローマ・カトリック関係の新時代と見ている」と言う。

 会見で、WEA側は「キリスト教ゆりかご基金」(CCF)、核兵器廃絶、極貧の人たちの正義などを、WEAとそのパートナー、バチカン各関係部門との間で協働の可能性がある実際的な分野として提案した。

 グローバルなレベルでの協力強化という点では大きな可能性があるが、双方の間には、共通の関心事の領域にさえ、協働への障害と歴史的になってきた神学的な違いがある。そこでタニクリフ氏は、神学的な共通点と相違に関する議論がこの新たなアプローチの一部になるようにとも示唆した。

 バチカン放送(日本語電子版)によると、教皇は席上、カトリックと福音派の兄弟愛と協力がますます深まることに期待を表明。

 教皇は、わたしたちの分裂の現実は、キリストの唯一の衣の美しさを損ねているが、洗礼を受けたすべての人々の中にある恵みによって作られた深い一致を完全に壊すものではないと強調、キリスト者がこの分裂を克服し、共に秘跡を祝い、御言葉を述べ広め、愛徳を実践するならば、福音宣教の効果はより大きいはずであると述べた。(CJC)

 

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