仏風刺紙に関する議論拡大 教皇が「表現の自由」にコメント 2015年2月7日

 フランスの風刺週刊紙「シャルリー・エブド」が表紙にイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を掲載したことに対するイスラム教徒の抗議行動が、アフリカや中東、アジアに広がっていることを米紙「ウォールストリート・ジャーナル」などが伝えている。

 フランスのフランソワ・オランド大統領は1月17日、ニジェールでの暴動や、アフリカ各地のデモでフランス国旗が焼かれたことについて、「許し難い」と述べた。

 「シャルリー・エブド」が14日に発行した特別号は、テロに屈しないことを示すシンボルだとして、表紙には再びムハマンドの風刺画を掲載した。

 これに対し、イスラム教の指導者らは、過激派につけ込まれるとの懸念を示している。サウジアラビアの最高宗教権威である上級聖職者の評議会は16日、表現の自由とは関係ないと非難した。

 ニジェールやマリ、セネガルでは、11日にパリで行われた「シャルリー・エブド」支援のための大行進に自国の指導者が参加したことに抗議の声があがり、ニジェールの野党指導者は、大行進そのものを非難した。

 パキスタンでも抗議活動が始まり、トルコなど中東に拡大した。イスタンブールでは16日、国際テロ組織アルカイダの支持者らが集会を開き、「シャルリー・エブド」を襲撃した後に死亡した容疑者2人を追悼した。カラチでは16日にデモを取材していたAFP通信のカメラマン1人が何者かに撃たれ負傷した。

 パリの日曜紙「ルジュルナル・デュマンシュ」18日付けは、今回の風刺画の掲載についてどう思うか、16日からの2日間、約1千人の市民に尋ねた世論調査の結果を発表した。

 「イスラム教徒の反発にかかわらず、風刺画は掲載すべきだ」と答えた人が57%だったのに対し、「風刺画の掲載は控えるべきだ」と答えた人も42%に上り、賛否が分かれていることが明らかになった。

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 西アフリカ・ニジェールの首都ニアメーで17日、風刺画掲載に抗議するデモ隊が暴徒化し、少なくとも7カ所で教会に放火した。

 AFP=時事通信によると、市内では若者ら約1千人が棒やおのなどを持って暴れた上、警察に投石。警察側は催涙弾で応戦した。

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 教皇フランシスコは15日、スリランカからフィリピンへ移動する機内で、「私だってパンチするだろう」というコメントをし、記者団を驚かせた。

 「シャルリー・エブド」襲撃事件を機に、世界中で巻き起こった、「表現の自由はどこまで許されるか」という議論に触れてのこと。教皇はパンチを繰り出すそぶりも見せたという。

 教皇は、パリにおけるイスラム過激派の襲撃事件について、「表現の自由」を擁護しているが、そのような自由にも制限はあると、公の場で指摘したことになる。

 これに応じた形でデービッド・キャメロン英首相は18日に放送された米CBSテレビのインタビューで、フランスの週刊紙の風刺画掲載に関し、「自由社会には信教をめぐって(他者の)感情を害する権利は存在する」と述べた。時事通信が報じた。(CJC)

 

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