非暴力・反暴力への思想問う 「宗教者九条の和」憲法講演会に岡野八代氏 2015年3月21日

 政治学者の岡野八代氏(同志社大学教授)が2月21日、「宗教者九条の和」が主催する第7回憲法講演会で講演した。会場のカトリック麹町聖イグナチオ教会ヨゼフホール(東京都千代田区)に約150人が参加した。

 テーマは「憲法9条から考える非暴力・反暴力の思想について」。岡野氏は「憲法」を、コントロール不可能な存在である他者を、暴力によって自分の意のままにするのではなく、コントロール不可能なものとして受け入れるための決まりとして捉える考え方を示した。

 この考え方の根底には、シモーヌ・ヴェイユとハンナ・アーレントという、国家暴力の経験を経て、カトリック信仰に強く影響を受けた20世紀の2人の女性思想家がある。

 岡野氏は、自民党の改憲草案に顕著に見られる今日の日本の政治傾向が、こうした考え方から大きく外れ、ひたすら他者を奴隷化しようとする戦争状態へと突き進んでいることを指摘した。

 終了後の対談では、鈴木伶子氏(平和を実現するキリスト者ネット代表)とともに、皆で力を合わせて日本の状況に警告していこうと訴えた。

 当日は、シリアで殺害された湯川遥菜さん、後藤健二さんへ黙祷を捧げた。また、日本イスラム文化センターから参加したザイナー・ホサム氏とクレイシー・ハールーン氏が、現在の中東の状況について、イスラム教からの見解を述べた。(報告・写真提供=日本カトリック正義と平和協議会・昼間範子)

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