「MESSIAH」を皆クリスチャンで サントリー大ホールでの指揮を前に姜春東氏に聞く 2015年5月9日

 ビジネスで30年ほど前に来日したことがあった姜氏は再び日本で音楽を学び、日本で音楽活動を華々しくスタートして、日本フィルハーモニー交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団などの指揮を経験した。

 普通は一般の指揮者としての歩みを続けるのだが、姜氏は教会の働きに重荷を覚え、教会音楽指導の活動を始めた。5月23日にサントリーホール 大ホール(東京・港区)で著名な出演者、指導するシモンコーラスなど参加者が皆クリスチャンというコンサート―アジアの恵まれない子どもたちのためのCHARITY「MESSIAH」(主催シモンコーラス)を指揮する姜氏は、アジアの恵まれない子どもたちにも心を寄せる。公演を前に話しを聞いた。

教会の外に出て伝道するにはやはり音楽―

 姜さんは韓国で音楽を学んだが音楽の道ではなく、ビジネスの道へ進むが、立ち上げた仕事が上手くいかなくなり、苦しさの中で自分の原点に帰り祈ったという。インタビューには、池田幸子氏(アークノアコンサート・シモンコーラス団長=写真下)が同席した。

日本での音楽のスタートはどのような状態でしたか。――

 池田 姜先生のデビューはとても華々しいもので、日本フィルの指揮をして、普通はそのまま指揮者としての歩みをすると思うのですが、神様の御用の働きを選ばれましたね。

  放蕩息子のようでしたが、神様の御計画ではないかな。2001年に東京フィルをして11面にワシントンに行き、ピアニストのソロの仕事を最後に辞めました。

 池田 名声に走りやすいのに、シモンコーラスの指導を始めました。プロの人が多くないので、音符一つひとつを矯正していくわけですから大変な作業で、本当に忍耐と愛情を持って一人ひとりを指導してくださっています。

 シモンコーラスとは。――

 姜 日本の教会の現状を見ると、教会の外に出て伝道するためにはやはり音楽だと思いました。最初は教会の聖歌隊を基にして始めましたが、大きなコンサートをするには一つの教会の会では難しい。いろんな教会に声をかけたり、シモンコーラスを見て参加したいという人や、ビジョンを知り私も神様を賛美し、伝道に関わりたいという人も。シモンコーラスへは14の教会から来ています。

 池田 一つの教会が作り上げるのではなく、多くの教会が関わります。今回世界的に有名なサントリーホールですること自体が、人、資金、スケジュールなど力を集合させて取り組む事柄です。来年シモンコーラスは10周年を迎えます。大きくプロフェショナルな合唱団を作っていくのが姜先生のビジョンだと思います。

 出演者も素晴らしいパートが揃いましたね。――

 姜 なかなか決まらずでしたが、お祈りの中で決まりました。キム・スヨンさんはアメリカで素晴らしい活動をしています。イ・ヨハンさんはイタリア、ヨーロッパの劇場で活躍していて、アジア3大テノールの一人と言われています。イさんは父親が亡くなり、母親が癌になり、仕事を止めて看病に韓国にきていまして、声をかけましたら「日本なら近いし、行きます」と応じてくれました。

 遠藤久美子さんはソプラノですが、音域のバランスでアルトをお願いしたところ「挑戦してみます。幸せです」とお返事をいただきました。新垣勉先生、稲垣俊哉先生は皆さんご存知かと思いますが著名な方です。新垣先生は4年前、クリスマスラブコンサートに出演していただいて、私の学校(日本クリスチャン音楽大学)の講師です。新垣先生とリハーサルをすると涙が出そうになります。子どもの時からの生活の中の全てが声に溢れています。このような先生と日本のために何か残したいと思いまして来年賛美歌のCDを計画しています。

 今回のコンサートはソリストとコーラス、それからオーケストラが神様の中に一つになって、会場の中で熱が溢れるように。サントリーホールから日本の宣教が、そして東京が変わって、日本が変わるというのがヴィジョンですね。

 アジアの恵まれない人のためのチャリティーはどのような思いから。――

 姜 世界28カ国の子どもたちが集まり演奏するアジアジュニアオーケストラがタイであった時ネパールに誘われて、行って本当にショックでした。子どもたちの環境に胸が痛かったです。それまではただ神様を賛美し、伝道だけしようと思っていたのですが、人生が変わりました。この子どもたちのために何かしなければ。それから年に2回、楽器を持って行くようにしています。

 

姜 春東(カン チュンドン)東京藝術大学大学院指揮科修士課程修了。東京シモンオーケストラ・コーラス音楽監督。日本クリスチャン音楽大学学長。

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