悔い改めの決意、次世代へ 戦後70年にあたり日本福音同盟が声明 2015年6月20日

 日本福音同盟(JEA、中台孝雄理事長)は6月1~3日、第30会総会を静岡県掛川市のホテルで開催し、「戦後70年にあたってのJEA声明」を採択した。

 声明は、戦後の日本で福音派キリスト教会が結集した原点には、「聖書の規範性と基本教理をないがしろにする自由主義神学との対峙」と「戦時下でイエス・キリストだけを主とする信仰告白を弾圧懐柔した天皇制・国家神道体制を標榜するナショナリズムとの対峙」という二つの軸があったことを示し、1968年にJEAが設立されるまでの経緯を説明。

 95年の「戦後50年にあたってのJEA声明」でアジア諸国への侵略加害に加担したキリスト教会の罪責の悔い改めと謝罪を表明したこと、また2005年の「戦後60年にあたってのJEA声明」で平和を造り出す者となる決意を言い表したことに言及し、「しかしながら、この10年の歩みを振り返るとき、それらの言葉の内実を問い、具体化することにおいて十分であったとはいえません」として、悔い改めを新たにした。

 戦後70年を迎え、歴史修正主義が台頭し、ヘイトスピーチ問題などにみられる民族差別が顕在化していることを指摘。また、国旗・国歌の強制、一部閣僚による神社参拝の常態化など、信教・思想の自由を脅かし、天皇制・国家神道体制の復活につながるような動きがあることにも言及。特定秘密保護法制定、沖縄の米軍基地問題、閣議決定のみによる集団的自衛権行使容認の流れの中で、安全保障関連法案が国会で審議されていることに触れ、「キリスト教界においては、戦前と同じような日本的キリスト教を標榜し、皇国史観のナショナリズムに迎合するような動きが再びみられるようになってきています」とも述べた。

 そうした中で、「戦時下における日本の教会の罪の歴史と悔い改めの決意」を次世代に伝えることを表明。「聖書を誤りなき神のみことばと信じる聖書信仰のゆえに、神の似姿として創られた人間の尊厳といのちを脅かし、敵意と争いを生み出すあらゆる力に抵抗し、イエス・キリストの十字架にあらわされた神の愛を人々に伝えると共に自ら生き、家族・地域・社会でその愛による平和と和解が実現していくように努力します」と述べ、国家と教会の正しい関係を指し示し、平和を造り出す者となることを表明した。

 

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