福祉の「働き手」を育て送り出す責務 第1回サポートネットワークシンポで 2015年6月27日

 社会福祉法人キングス・ガーデン東京(泉田昭理事長)は、福祉・教育・教会のネットワーク作りを企図した第1回サポートネットワークシンポジウムを5月30日、日本イエス・キリスト教団荻窪栄光教会(東京都杉並区)で開催した。

 本シンポジウムは昨年3月、福祉施設や在宅介護サービスの充実を図ることを目的に設立された「サポートネットワーク」の一環として企画されたもの。今回は「福祉・介護の『働き人』を送り出す」を主題とし、キリスト教福祉に携わる「働き人」をどう育成するかについて、教会、施設、教育機関の関係者ら約160人が、パネルディスカッションや分科会を通じて意見を交わした。

 講師の市川一宏氏(ルーテル学院大学前学長)は、「『おめでとう』で始まり『ありがとう』で終わる人生――福祉とキリスト教」と題する講演で、一人ひとりの命が軽視されている現状に警鐘を鳴らし、「『おめでとう』と祝福され、『ありがとう』で終える人生を支えるのが福祉の実践であり、共に生きていくことの意味を学び、自己成長をもたらすもの」と説いた。また、「人々の苦しむ姿に共感して駆け寄るならば、神を信じる、信じないにかかわらず、神と結ばれた共に歩む隣人」だとし、信徒以外の人々とも連帯して「希望の光」を灯す歩みを続けたいと語った。

 講演を受け、阿久戸光晴(聖学院理事長・院長)、廣瀬薫(東京キリスト教学園理事長)、中島秀一(荻窪栄光教会牧師)、中島真樹(練馬キングス・ガーデン施設長)の4氏が、それぞれの立場から応答。

 阿久戸氏は、福祉の仕事が「きつい」「汚い」「危険」と避けられる一方、「清く」「気配りし合える」「光栄な」収穫の多い職務であることを強調し、祈りと責任を持って「働き手」を育てる必要性を訴えた。中島真樹氏は、「やる気と適性を持った人であれば、一定の研修を経て自立し、継続して働くことができる」とし、実際に介護職のやりがいに気づいたという職員の声も紹介した。

 次回のシンポジウムは、1年後に開催する予定。

 

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