関西で出張「神学講座」 牧会学、賛美歌学、礼拝学を学ぶ 2015年6月27日

 雑誌「ミニストリー」(キリスト新聞社)が主催するセミナー「ざっくりわかる出張『ミニストリー』神学講座」が6月6日、関西学院大学大阪梅田キャンパス(大阪市北区)で開かれた。

 東京に続き2回目となる今回は、関谷直人(同志社大学神学部教授)、水野隆一(関西学院大学神学部教授)=写真、中道基夫(同大神学部教授)の3氏がそれぞれ、「牧会学――メンタルヘルスの視点から」、「賛美歌学――神学的作品としての教会音楽」、「礼拝学Ⅱ――〝ことば〟で力を取り戻す」と題する講義を行った。

 関谷氏は、精神科医エリック・バーンによって提唱された交流分析の手法が、牧師と信徒間のトラブルを回避するために応用できるとし、具体的な事例を挙げながら、牧会の現場における留意点について解説した。

 水野氏は、「あめなるよろこび」をはじめ具体的な賛美歌を例に歌詞の構成、訳詩の違い、メロディとの関連性を分析。「賛美歌は芸術作品であると同時に、神学的な作品でもある」とし、「説教との整合性を含め、礼拝の中での賛美歌の用い方、神学的解釈などについて再考する必要があるのではないか」と提起した。

 ドイツのエキュメニカルな交わりの中で、それまで味わったことのない礼拝の解放感を経験したという中道氏は、日本の教会には礼拝に対する期待感がないと指摘。「新しい礼拝が必ずしも教会を活性化させるとは限らない」としながら、礼拝式文が多様性に乏しく、さまざまなケースの結婚式や葬儀に対応できていない現状を質した。また詩編42編に礼拝の構造を学ぶことができるとし、礼拝における――2千年前の出来事を根拠とした――終末論的希望の必要性を説いた。

 参加者からは、「礼拝を変えるかどうかという問題に矮小化された議論ではなく、誰のため、何の目的で、何が重要なのかということを、自分自身の問題として考えなければならない」との感想が寄せられた。

 講義の模様はすべてDVDとして雑誌「ミニストリー」の付録になる予定。

 

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