立教大で映画「ルンタ」上映会 「チベット人の非暴力に学びたい」学生が企画 2015年7月18日

 チベットの現状を描いたドキュメンタリー映画「ルンタ」の上映会とシンポジウムが7月1日、東京・池袋の立教大学で行われ学生ら約100人が参加した。

 同作は、チベット亡命政府のあるインドインド北部の町、ダラムサラに30年間住み続け、NGO「ルンタプロジェクト」の代表としてチベット人を支援してきた建築家、中原一博氏に密着。ブログでチベットの苦難を発信してきた同氏が、後を絶たない「焼身抗議」の背景に迫ろうと、チベット僧たちが自由と尊厳をかけて命を落とした現場をめぐる旅に同行する。

 「平和を願う非暴力――慈愛の精神の先にある、チベット遊牧民の願いとは」と題するこの催しは、同作を観て衝撃を受けた学生が、「チベット人たちが映画の中で語る『慈悲』や『利他』の精神がわたしたちには欠けている。1人でも多くの人に伝えたい」と企画したもの。

 映画の上映後、監督の池谷薫氏と学生らを交えて意見交換が行われた。池谷氏は、「彼らが命を賭けて守ろうとしたものは何か」を考えながら映画を作りたかったとし、「映画が世の中を変えることができるとは思わないが、世界を良くしたいと思う人を元気づけることができると信じている」と同作への期待を語った。

 参加した学生からは、「拷問する人が悪いのではなく、拷問をさせている感情が悪い。こういうことを本気で考え、体現している人がいることを知ってすごく嬉しく思った」「慈愛に満ちているチベットの人々の表情と彼らがとっている行動のコントラストが、事の奥深さをリアルに映し出していると感じた」などの感想が寄せられた。

 日本の現状について意見を求められた在日チベット人の参加者は、「日本は憲法9条などに代表されるように平和の力を持っている。しかし、その力が発揮されていないのが現実ではないか。それを具体的に生かすことが必要」と訴えた。

 映画「ルンタ」は、7月18日より渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国で公開。

©Universe 2015

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