大衆の心揺さぶるウェスレー 更新伝道会大会で阿部志郎氏が主題講演 2015年9月26日

 「ウェスレーと平和――戦後70年とキリスト教福祉」のタイトルのもと、更新伝道会の第44回大会が8月24~25日、青山学院大学(東京都渋谷区)で開催された。175人が参加した。

 24日には、阿部志郎氏(横須賀基督教社会館元館長、日基教団田浦教会員=写真)が「和解の使者――ウェスレー~社会的活動を中心に」と題して主題講演を行った。

 同氏は、18世紀にメソジスト運動を始めたジョン・ウェスレーについて、英国国教会から顧みられることのなかった労働大衆の中に入って伝道した「和解の使者」だったとし、「路傍で伝道するウェスレーの魂の叫びが、社会大衆の心を揺さぶり強く訴えるものだった」と述べた。ウェスレーが固定的な地域の規制を超えて自由な世界を視野に入れて伝道したことが信仰復興運動の基盤であったとし、地域を超えて動的に民衆に働きかけることが更新伝道会の「更新」であると語った。

 「ウェスレーの運動は、社会的・文化的な運動ではない。魂を救済する信仰復興運動であるが、この運動に目を覚まされた人々が社会的活動の中に入っていく。そこにウェスレー運動の社会的意味があると思う」と述べ、ウェスレーの社会的貢献は、労働組合、農民組合、YMCAなどのアソシエーション(志を一つにする同志が自分たちで結んできた任意団体)を生み出したことではないかと考察。「このボランタリーな活動が、社会活動、そして豊かな文化を創り出す原動力になっていく」とし、それが深く根を下ろしたのが米国だと解説した。

 大会では他に、曺紗玉(チョサオク)(韓国・基督教大韓監理会牧師)、ジョージ・W・ギッシュ(青山学院大学名誉教授、合同メソジスト教会宣教師)両氏による平和メッセージや、土井健司氏(関西学院大学神学部長)による聖書の学びが行われた。

 また、大村栄会長が健康上の理由により会長職の継続が困難になったため、24日に臨時の全体委員会が開かれ、藤村和義氏(日基教団渋谷教会牧師)が新会長に選任された。

 同会は、日基教団の信仰告白を堅持し、ウェスレーの信仰を継承し活かし、メソジズムの研修・普及・実践を志す団体。

 

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