古代ローマの壁画を読み解く 東北学院大 松本宣郎氏が公開講演 2015年9月26日

 「古代ローマとキリスト教」と題した公開講演会が8月3日、東北学院大学(仙台市青葉区)で行われた。講師は、キリスト教史・古代地中海世界の専門家であり東北学院大学学長を務める松本宣郎氏=写真。会場となった土樋キャンパス押川記念ホールには、大学生と一般からの参加者約80人が集まった。

 松本氏は古代の壁画に表されたイエスや使徒たちの絵の読み方を解説。イエスは伝統的に、細身でひげ面の青年として描かれるのに対して、ペトロは白髪の老人であり、パウロは禿頭の老人として描かれてきた点を指摘し、「髪の量でだいたい誰かわかるんです」と会場の笑いを誘った。

 また、新約聖書に登場するさまざまな教会があった街の遺跡やカタコンベに残されたキリスト教徒の痕跡を、写真を見せながら紹介した。特に、キリスト教徒が揶揄されている様子として、ローマ・パラティヌス丘出土のグラフィティが会場の注目を集めた。

 ロバの頭を持つ人間が十字架にかけられた姿に「アレクサメノスは神(単数)を拝んでいる」と添え書きしたもので、子ロバに乗ってエルサレムに入城したキリストを暗に示している。多神教社会で生きた教会が、当時の社会にどのように受け取られていたかが浮かび上がる。

 同講演会は、東北学院大学の第41回サマー・カレッジ「パウロと共に歩む ~古代から現代へ」の一環。学生と教職員の有志が2泊3日で学生生活や聖書について語り合い、朝夕の祈りを共にして証と賛美の時間を持つ。

 東北学院大学は1886年創立の仙台神学校に起源をもつ私立総合大学。同大学のキリスト教文化研究所は、半世紀にわたり一般向けの学術講演会を開催してきた。また大学礼拝とキリスト教学は1年次と3年次の必修科目であり、ラーハウザー記念礼拝堂は2014年に登録有形文化財に指定された。礼拝堂入口には、過去数年分の大学礼拝の説教集が配布用小冊子として置かれており、誰でも自由に持ち帰ることができる。

 

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