クリスマス見本市で山根基世さん講演 〝世の中は言葉で変えられる〟 2015年10月24日

 日本キリスト教書販売株式会社(日キ販)は10月6日、大田産業プラザ(東京都大田区)で、クリスマス用品を展示する「クリスマス見本市&キリスト教ブックフェア」を開催した。この見本市は、キリスト教の専門出版社、用品メーカーなどが一堂に会し、専門書店を対象に新商品のプレゼンなどを行うもの。今年は34の出展社を含め、全国から書店、幼稚園、保育園の関係者ら約180人が来場し、各ブースの商品を手に取りながら、ひと足早いクリスマス気分を堪能した。

 会場内では、元NHKアナウンサーの山根基世さんを招いた特別講演「朗読の持つ力――朗読で子どものことばを育てる、朗読が人と人をつなぐ」も開催。山根さんはキリスト者ではないが、カトリック誌「あけぼの」で連載を執筆していたこともあり、キリスト教の催しであれば、と依頼を快諾したという。

 アナウンサーを36年間務めた山根さんは、山浦玄嗣さんの「ケセン語訳聖書」を例に、体の中から湧き出る言葉の重要性を訴え、「イエス様も決して自分では聖書を書かなかった。宗教の原典は朗読、読み語り」と語った。

 また、「今の子どもに必要なのはパブリック・スピーキングよりも、日常の暮らしの言葉。隣の人と心を通わせるための言葉づかいを身につける場がない」と指摘。もはや学校と家庭だけで子どもを育てられる時代ではないとし、「閉鎖的で煩わしい関係性ではなく、新しい居心地の良い『地域』が必要。そのために朗読が大きな手掛かりになる」と訴え、朗読指導者を養成する取り組みについて紹介した。

 「世の中は言葉によって変えることができる。どこかで誰かに聞いた言葉を自分の言葉のように話す人が多い中、自分の目でものを見、自分の頭で考え、自分の言葉で語る子どもを育てたい」と、教会への協力も呼びかけた。

 主催した日キ販の戸塚邦夫社長は、「教育楽器メーカーや農業雑誌の出版社など、目新しい出展社もあり、楽しんでいただけたのではないか。より多くの方にご来場いただき、キリスト教出版業界の活性化につなげたい」と振り返った。

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