「心の病」作り出していないか 日基教団埼玉地区アーモンドの会で石丸昌彦氏 2015年10月31日

 「心の病が問いかけること」をテーマに、精神科医の石丸昌彦氏(放送大学教授、日基教団柿ノ木坂教会員)を講師に招いた集会が9月21日、日基教団埼玉和光教会(埼玉県和光市)で開催された=写真。同教団関東教区埼玉地区「障がいを負う人々と共に生きる教会を目指す懇談会」(アーモンドの会、石川榮一委員長)が主催したもので、133人が参加した。

 石丸氏は、日本の精神保健福祉の歴史を振り返り、精神病者監護法(1900年)の成立背景には、不平等条約改正に向けた法制度整備という面があったこと、精神衛生法(50年)はGHQによる民主化政策の中で作られ、同法の改正(65年)はライシャワー事件(ライシャワー米駐日大使が統合失調症の少年に刺された事件)が契機となったこと、また精神保健法(87年)は83年の宇都宮病院事件(看護職員らの暴行で患者2人が死亡した事件)に対する国際的非難を受けて成立したことを指摘。日本の精神保健福祉関係規定の変化は自発的なものではなく、外圧によるものであることを解説し、こうしたあり方を見直すべく、医療関係者自身の意識変革を訴えた。

 同氏は、「心の病」という名称について問い直し、「心が病んでいる」ということは精神疾患になることとは違うと指摘したある学生の意見を紹介。また、統合失調症は「心の病」ではなく「脳の機能変調」だとした上で、統合失調症を抱えながら生きていく中でストレスや悩み、人間関係のもつれから病気が悪化する場合があることに触れた。

 「脳の機能変調を『心の病』にしてしまっているのは、病気そのものではなく、わたしたちの社会のありよう、援助の仕方、人間関係」だと指摘。「『心の病』という名称そのものが、『あなたはそれを作り出すことに加担してはいないか』という鋭い問いになっているような気がする」

 会の後半では、埼玉和光教会員の安永直美氏が「今あるは 神の恵み」と題して証しを行った。2年前の交通事故で頸椎を損傷したという安永氏は、「祈ること、感謝を忘れない人でありたい」と語った。

 

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