〝どの教会も主において一つ〟 「キリスト教一致祈祷週間」に各地で集会 2016年1月30日

 1月18~25日は「キリスト教一致祈祷週間」。各地で教会一致を祈る集会が行われている。17日には、カトリック中央協議会と日本キリスト教協議会(NCC)が主催する「東京集会」が、日本聖公会三光教会(東京都品川区)で開催された。教派を超えて参加した68人が、共に祈り、平和のあいさつを交わした。

 集会では、司式を小橋孝一氏(NCC議長)、聖書朗読を神﨑和子氏(日本聖公会三光教会司祭)が担当。幸田和生氏(カトリック東京大司教区補佐司教)が「主の力あるわざを伝えるために」と題して説教した。

 幸田氏は、大学時代にカトリック教会で洗礼を受けるに至った経緯を話し、教会の青年たちと知的障がい者の施設を訪問した際に、最終日のミサで「キリストとの出会い」を経験したことを回想。日本では、各教派の歴史や教義を学び比較した上で教会を選ぶ人は少なく、両親の所属する教会のメンバーになるなど、偶然のように特定の教派に属している場合が多いことを指摘した。

 来年、宗教改革500年を迎えることに触れ、500年前の分裂を未だに引きずっているのは「日本のキリスト者にとっては、とても迷惑な話と言わざるを得ない」としつつも、「同時にヨーロッパやアメリカで長い年月を生きてきたキリスト教会の伝統がなければ、わたしたちはイエス・キリストに出会うこともできなかった」とし、「それぞれの教派教会に感謝すべき」と主張。「それぞれの教会のさまざまな伝統がキリスト教の豊かさなのだと言い切ることができればすばらしい」と述べ、互いを理解、尊重することを訴えた。

 そして、「どの教会であっても主において一つ」であることを心に留めることを呼び掛け、「キリストにおいては教派の違いは問題にならない。わたしたちは一つの信仰告白で結ばれた一つの民である」と強調した。

 「キリスト教一致祈祷週間」は1908年、当時祝われていた聖ペトロの祝日と聖パウロの祝日を結ぶ期間として提案された。68年以降、世界教会協議会(WCC)信仰職制委員会と、教皇庁キリスト教一致推進評議会(PCPCU)が小冊子を共同発行している。今年は「主の力あるわざを、広く伝えるために招かれて」(一ペトロ2・9参照)をテーマに、ラトビア共和国が準備を行った。それに基づいて日本では、NCCとカトリック中央協議会が日本語版小冊子を作成した。

 同冊子によると、ラトビアが公認している伝統宗教は、ルーテル教会、カトリック教会、バプテスト教会、正教会、正教会古儀式派、ユダヤ教の六つ。2011年のデータとして、人口の34.3%がルーテル教会、25.1%がカトリック教会、19.4%が正教会と正教会古儀式派の信者だと紹介されている。また、1.2%が他の教派(バプテスト派など)に属しており、人口の20%が他宗教の信者もしくは、どの宗教にも属さない人だという。

 三大教派の規模がほぼ同じであることから、ラトビアのエキュメニカル活動は活発であるが、それは少数の人々によって担われており、多くのキリスト者は無関心で、敵意を抱いていることさえあると同冊子は指摘している。諸教派間の神学的な対話のための公式な委員会がないことも課題だという。

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