信仰生活の実態に迫る 「新共同訳聖書を利用」6割 同性婚「受け入れない」5割 2016年2月20日

 前号に引き続き、『キリスト教年鑑』(キリスト新聞社)編集委員会が2015年9~10月にかけて行った「戦後70年・教会アンケート」(20年前の同項目アンケートと比較)の結果を掲載する。今回は、信徒のみに尋ねた「礼拝への出席率」「礼拝以外の集会への参加率」のほか、新たに加えた「自死」「同性愛」「新しい翻訳聖書」に関する答えを分析。調査の対象は、2015年版の国内人名欄に掲載されている8041件で、計2560件(教職2133、信徒427)の回答を得た(回答率31.8%)。なお、全文は2月15日発売の『キリスト教年鑑』2016年版に掲載している。

 「教会の礼拝にどの程度出席しているか」の問いには、約6割が「毎週欠かさず出席している」と回答。「月に3~4回」まで含めると77.7%(前回78.3%)の「熱心な信徒」が礼拝を守っていると言える。

 「礼拝以外の教会の集会や行事によく参加しているか」との問いには、「よく参加している」が45.8%(前回49.2%)と微減。「まったく参加していない」が12.7%(前回9.2%)と増加している。「礼拝中心型」の増加を示しているようだ。集会や行事の内容については、1位の「祈祷会」でも18.4%(前回20.8%)と減少。2位「聖書研究」16.4%(前回16.9%)も減少している。

 教会内で「3団体」と呼ばれる会への参加では「壮年会」への参加が18%(前回21.1%)と突出、「婦人会」が5%(前回3.9%)、「青年会」は1%以下で低迷が歴然としている。

 今回のアンケートで新設した「自死者の葬儀を教会で挙げることについて、どのように考えているか」との問いには、「事情によっては受け入れることもあり得る」が教職51.7%、信徒51%、「積極的に受け入れるべき」が同41.4%、38.1%と前向きだが、「受け入れるべきではない」も同1.4%、1%という結果。

 「同性愛者による結婚式(同性婚)を教会で挙げることについて、どのように考えているか」については、教職の48.3%、信徒の37.2%が「受け入れるべきではない」と答えている。「事情によっては受け入れることもあり得る」を受容と見ると、「積極的に受け入れるべき」との合計は教職32.4%、信徒38.4%となる。

 「礼拝で利用している聖書」についは、「新共同訳」を教職の55.4%、信徒の76.8%(全体で59%)が挙げている。「新改訳」も同29.4%、同11%(全体で26%)おり、「口語訳」を挙げる人が同11.4%、同9.4%(全体で11%)いることに注目。

 また、「新しい翻訳聖書に何を望むか」については「原典への忠実さ」を教職の43.8%、信徒の43.1%(全体で44%)が希望しており、「読みやすさ」「使いやすさ」「文学的美しさ」の順に続いた。

自由筆記欄に記入された回答から

Q.自死者の葬儀を教会で挙げることについて。
 自死者であることに関係なく葬儀すべき。/依頼を受けた場合により、会堂ではなく祭場などを利用する。/教会で話し合ったことがない。/死者のためでなく、生きている遺族のために受け入れるべき。/教会員であれば当然受け入れるべき。

Q.同性愛者による結婚式(同性婚)を教会で挙げることについて。
 個人の立場/考えと教会員の考えに大きなギャップがある。/婚姻届が出せる場合のみ、教会は式を引き受けるべき。/聖書によれば、結婚とはひと組の男女が神と会衆の前で結ばれる行為。/受け入れる教会を紹介する。/同性愛者は受け入れるが、結婚は聖書的におかしい。/パートナーとして祝福するのはよいが、結婚ではないと考える。/同性愛、性同一障害、ゲイ、両性愛を医学的に明確化区別し、議論できるための情報、キリスト教出版物がほしい。/考えたことがない。

Q.新しい翻訳聖書に何を望みますか。
 使い捨てのような訳書は出さないでほしい。/必要性を感じない。/品位。/原典への忠実さは必要だが、そのために読みやすさや、使いやすさが失われたり後退するのであれば本末転倒。/脚注を付してほしい。/できるだけ原典のニュアンスを伝え、当時の福音書記者が神さまの言葉をどう受けとめ、どう記述したのか知りたい。その息吹を感じたい。/たびたび翻訳を重ねるとどの聖書も定着しない。/原典主義は岩波と田川さんで十分。日本語の拙劣さは目を覆うばかり。/音読にたえるもの。/書き込みのできる余白の広い聖書も作ってほしい。

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