福音伝道へ異なる伝統学ぶ必要 2016年4月9日

各派神学校新卒者が教派超えて研修会

 これから牧会の道に踏み出す新卒の神学生たちが1日を共に過ごす「神学校新卒者エキュメニズム研修会」が3月15日、キリスト教視聴覚センター(AVACO、東京都新宿区)で行われた(日本キリスト教協議会=NCC=教育部主催)。
 東京神学大学、日本聖書神学校、日本ナザレン神学校、日本バプテスト神学校、日本ルーテル神学校の5校から新卒者8人が参加した。

 チャペルで行われた午前の部は、小友聡氏(東京神学大学教授)の祈りにより開始。講師の江藤直純氏(ルーテル学院大学学長)が、「宗教改革とエキュメニズム――その心と実践」と題して講演した=写真。
 江藤氏は、カトリック教会とプロテスタント教会は500年間交わりを持たなかったが、この50年両者は対話を重ねてきたとし、宗教改革は教会の一致を損なったと思われてきたが、現在は共通理解に向かっていると解説。アウグスブルク信仰告白400年を記念した1980年、米シカゴでは宗教改革記念日をRRDAY(Reformation/改革+Reconciliation/和解)と銘打って祝っていたことを紹介した。

 また、ルーテル世界連盟(LWF)とカトリック教会が1999年に調印した「義認の教理に関する共同宣言」の中の「我々は共に告白する」という言葉に注目し、「教会がこの言葉を使う重みを皆さんは分かるだろう」と述べた。
 その後、宗教改革とルターついて触れ、「途方もなく大きな神の恵みの出来事」を捉えるために、多様な視座が必要だと主張。そもそも異なる伝統があるのは悪いことではないとし、どれが正しいかではなく、互いの伝統は大きな福音を捉えるための大切なパートナーだと述べた。

 最後に、「牧会者が神から託された使命は、福音を心のある、意味のある形で喜ばしい訪れとして伝えること。福音伝道を分かち合っていくために、自分と違う伝統が必要。それこそがエキュメニカルだろう」と語った。
 質疑応答の後、キリスト教関係の諸団体がそれぞれの働きを新卒者に紹介した。午後は早稲田奉仕園内の各団体を訪問。最後に派遣礼拝が行われた。

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