地域の人々の土俵で考える教会に DRCnetが5年間の活動を総括 2016年3月19日

 お茶の水クリスチャンセンター(東京都千代田区)の一部門である災害救援キリスト者連絡会(DRCnet、中台孝雄会長)は2月6日、「東日本大震災5周年を考える集会」を同センターで開催した。

 救援活動にあたる教会・団体・個人と被災地をつなぐ「ハブ」としての役割を果たしてきた同会の5年間の活動を総括するもの。「あの日から5年間が過ぎて――〝振り返ること〟と〝これから〟」という主題のもと、木田惠嗣(ミッション東北郡山キリスト福音教会牧師)、倉沢正則(東京基督教大学特任教授)の両氏が発題した。

 福島県キリスト教連絡会(FCC)前代表の木田氏は、FCC成立のプロセスを振り返った上で、福島の現状を報告。「矮小化」と「複雑化」というキーワードを挙げ、5年が経過し、原発事故が忘れられる傾向にあることや、除染が進むにつれて線量の高いホットスポットがまだら状になる「マイクロホットスポット化」の問題などを指摘した。

 倉沢氏は、「震災は教会を地域へと押し出した」という表現を使い、今までは福音的な教会を中心に「自分たちの土俵に人々を呼ぶ」というあり方が多かったが、「地域の人々の土俵で教会が物事を考え、なすべきことを行う」というあり方に変化してきたと指摘。また、地域を支える教会のネットワークが生まれたことなどに触れ、震災を通して「ローザンヌ誓約」の核心である「全教会が、全世界に、福音の全体をもたらす」働きがなされてきていると語った。

 DRCnet実務委員会は、「東日本大震災の経験から学んだこと・今後への指針」をまとめ、3月8日にホームページ(http://drcnet.jp/)で公開した。「神学的・宣教学的側面から学ぶこと」「実際の救援活動からの学び」「今後への提言」を中心とした5部から成り、木田、倉沢両氏を含む16人が寄稿している。

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