若者理解し受け入れる良い居場所に 日本福音同盟青年委 NSDセミナー 2016年3月26日

 「若い奉仕者を育てるために」をテーマに、日本福音同盟青年委員会主催のNSD(日本青年伝道会議)セミナーが2月26日、お茶の水クリスチャンセンター(東京都千代田区)で開催された。チャイルドカウンセラーの資格を持つ東村山福音自由教会牧師の早坂恭氏による講演と、桜ヶ丘キリスト教会牧師の飯田岳氏、高校生伝道団体hi-b.a.代表スタッフの川口竜太郎氏、宇都宮共同教会牧師の山下大喜氏によるパネルディスカッションが行われた。

 講演で早坂氏はまず、若者に関わる動機は、教会の将来への危機感など、教会本意ではなく、その子自身の幸いを願う愛が動機でなければいけないとし、教会が「物理的な良い場所ではなく、彼らを理解し受け入れてくれる人が待っている」良い居場所になることが重要であると話した。

 若者に寄り添うことについて、「理解なきところに信頼なし。信頼なきところに指導なし」と述べ、若者が理想的なキリスト者になっているかではなく、何を望み、何に興味関心があるかなど、その子自身に関心を持つべきと主張。牧師が身近な存在になる必要もあるとし、自身が牧師室にプラモデルや漫画をあえて置いていることを例に挙げ、「若者たちがツッコむことのできる隙をつくること」も、距離感を縮め、寄り添うことにつながると語った。

 技術的な話として、子どもたちと接する中で使う、「そうだね」と「そうなんだね」の二つの相づちを紹介。「彼らが、聞いてくれている、受け止めてもらえていることを感じてもらう」ことが重要であり、同意できないことも最後まで聞き、最後に、「君はどうしたいの?神様はどうしたいと思う?」と問いかけ、時間をかけて話すことを提案した。

 若者による奉仕については、任せられるものがなければ、あえて奉仕の機会を作り、誰かの役に立てたことの喜びを小さい頃から体験させることが大切だと述べた。また若者の奉仕には失敗できるスペースを確保しておくことも重要と語った。

 最後に、日本の教会には、日本の教育のような先生と生徒の関係性だけではなく、兄弟姉妹として日常の会話や関わりの中で、教え導き、一緒に成長するという視点が欠けているのではないかと問いかけた。

 パネルディスカッションでは、飯田氏が、早坂氏が講演中に語った「立派な人が若者にとっての良いモデルではない」という話に特に共感したと話し、「自分が葛藤していて、より良いイエスの弟子になろうとしているところを分かちあう」ことが大切と話した。

 川口氏はきれいな場所ではなく、信頼関係が居場所を作ると述べ、「子どもたちに隙、弱さを見せることも距離を近づける」「やばいと思っても最後まで聞き、次にどうしたいか、どうするべきか選択肢を相手に聞く。高校生も、本当はどうすべきかは分かっている」と述べた。また共感共有が信頼関係構築のためにも大切だと語り、山下氏も「心の底から一緒に遊ぶ、陰では心の底からとりなして祈る」ことが大切だと話した。

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