「『愛のうちに共に育つ』教育を」 神奈川県湘南地区のカトリック学校が教会で魅力紹介 2016年4月2日

 カトリック学校で学ぶ魅力を、受験生に限らずさまざまな世代に伝えたいと、神奈川県湘南地区の小学校・中学校・高等学校7校が集まり、3月12日に鎌倉市のカトリック雪ノ下教会で初のイベントを開催した。西経一氏(神言修道会司祭、長崎南山中学校・高等学校校長)の講演や参加校によるパネルディスカッションが行われ、約160人が来場した。このイベントの発案者である清泉女学院中学高等学校宗教部の大河内妙氏(聖心侍女修道会シスター)と広報室長の濱田京子氏に話を聞いた。

 イベントには、小学校2校(湘南白百合学園小学校、清泉小学校)、中学校・高校3校(湘南白百合学園中学・高等学校、清泉女学院中学高等学校、聖園女学院中学校・高等学校)が参加。また、聖マリア小学校と栄光学園中学高等学校が資料参加した。

 イベントは清泉女学院中学高等学校音楽部による合唱で幕を開けた。「愛のうちに共に育つ」と題して講演した西氏は、労働と賃金、点数と合格、資格と就職など、この世の仕組みは交換で成り立っており、生命の新陳代謝も同様だと指摘。「取引や交換が、生活と生命を保つために必要だということは皆知っているが、同時にそのために人間としてのいのちを受けているのではないということも知っている」とし、それを人間は母の胸、父の腕の中で教えられるのだと強調した。

 「理由と交換で一人ひとりが大切だと言う場合は、一人ひとりが大事なのではなく、理由が大事。理由を愛しているとすれば、同じ理由を持っている人で交換ができる。カトリック学校は、一人ひとりかけがえのない、交換できない人間だという生徒との向き合いをする学校。学校によって表現は違うと思うが、そのことをどのカトリック学校も大事にしている」

 例えば、人間は猫と違って、皿の上に載っている魚を見て、その向こうに生産者、流通業者、消費者、労働者が見えるのであり、「だから人間だけが手を合わせて『いただきます』を言える」のだと説明。

 点数と合格だけで留まるならば学習塾と同じだと述べ、物事の背景を読み取る読解力を育てることが、思いやりの深い人間を育てるのであり、それが宗教教育だと強調。「人間理解を深め、思いやりを深め、手を差し伸べ、声なき声を聞き取る」というカトリック学校の指針を示した。

 最後に、「愛は身を割き与えること」だと述べ、「カトリック学校の教職員は自分の身も時間も割き、心を砕いて差し出し続ける者たち。皆、愛の証し人たち」だと結んだ。

 パネルディスカッションでは、澤野誠(湘南白百合学園小学校校長)、齋藤一子(清泉小学校校長)、水原洋子(湘南白百合学園中学・高等学校理事長)、佐藤美紀子(清泉女学院中学高等学校教頭)、清水ますみ(聖園女学院中学校・高等学校校長)の5氏がそれぞれの学校の魅力や取り組みを紹介。終了後は各校のブースで資料を手に説明を聞く参加者の姿も多く見られた。

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