堀肇氏〝孤独を超えて生きる〟 第2回サポートネットシンポに200人 2016年7月2日

 社会福祉法人キングス・ガーデン東京(泉田昭理事長)は、福祉・教育・教会のネットワーク作りを企図した第2回サポートネットワークシンポジウムを6月18日、日本イエス・キリスト教団荻窪栄光教会(東京都杉並区)で開催した(日本イエス・キリスト教団関東教区シニア部共催)。

 「人材確保・育成」をテーマとした昨年の第1回に続き、今回は「『生きる意味』を考える――孤独を超えて、生と死に向き合う」を主題に掲げ、約200人の参加者が意見を交わした。

 講師の堀肇氏(日本伝道福音教団鶴瀬恵みキリスト教会牧師)は講演で、人間はそもそも孤独な存在であることを前提としつつ、孤独は「非常に個別性が強いもの」と指摘。横の関係を重視した精神文化を形成する日本独特の〝寂しさ〟を理解し、欧米諸国における孤独との違いを認識する必要性と共に、「孤独(ロンリネス)を超えて(かけがえのない存在としての)孤独(ソリチュード)を生きる」ことの重要性を強調した。

 講演を受け、大和昌平(東京基督教大学教授)、根田祥一(いのちのことば社出版部編集長)、宇都宮和子(筑波キングス・ガーデン総合施設長)の3氏が、それぞれの立場から応答=写真。

 大和氏は牧会の傍ら仏教を学んだ立場から、「無縁社会」における日本人の死生観の変化と、キリスト教福祉や葬儀の可能性に言及。根田氏は認知症の家族を介護した体験から、自身にも認知症や高齢者施設に対する理解不足があったと振り返った。

 施設で初めて迎えた高齢者との出会いから、「家族から引き離すことで孤独にさせてはいけない」と思い至ったという宇都宮氏は、愛する家族を亡くして涙する息子に心ない励ましの声をかけてしまったことへの悔いを語り、「語る言葉によって人は生かされもし、殺されもする」と回顧した。

 会場を交えた質疑を経て、午後には各分科会に分かれてテーマを深めた。

 次回のシンポジウムは、1年後に開催する予定。

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