〝平和作る新しい人間を社会へ〟 ホーリネス弾圧記念聖会で森島豊氏が講演 2016年7月23日

 ウェスレアン・ホーリネス教団、基督兄弟団、日本ホーリネス教団が共催する第25回ホーリネス弾圧記念聖会が6月26日、ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会(東京都新宿区)で行われた。この日に合わせて『人権思想とキリスト教――日本の教会の使命と課題』(教文館、4面に紹介記事)を上梓した森島豊氏(青山学院大学准教授・大学宗教主任=写真)が、「弾圧は昔話ではない」と題して講演した。約140人が出席した。

 森島氏の母方の祖父は、ホーリネスの信仰伝統に立つ日基教団初雁教会の牧師であったが、戦時中ホーリネス系の教会は政府から弾圧され、牧師を辞めることになった。森島氏は神学校に入学する前、ホーリネス弾圧の歴史を知り、「牧師になるということは、このような迫害を受ける可能性がある」ということを感じたという。それから20年が過ぎ、信教の自由、基本的人権を保障する憲法が変更される可能性が濃厚となった今、弾圧の記憶が脳裏をよぎったと話した。

 そして、「キリストに従う道に弾圧・迫害は避けられない」とし、日本におけるキリスト教弾圧の歴史を概説。日本ではキリスト教信仰は為政者たちによって常に警戒されてきたと述べ、キリスト教信仰は抵抗権を生み出す思想的源泉だからだと説明した。

 その上で、同聖会が世の教会に問うべき本質は、あらためてキリストに従う信仰だとし、社会的な問題に取り組む信仰や神学が、聖書的でないものに基礎づけられることは問題だと主張。「平和な時代においても聖書の言葉よりも人の言葉を重んじてしまう信仰で、国家からの圧力があった時にキリストの言葉に従い通せるだろうか」と問い、「試練と誘惑のないキリスト者の人生はない。その信仰の戦いの中でキリストの言葉に従うとき、必ず十字架を背負っている」と述べた。

 最後に、平和を作り上げることのできる新しい人間を教会から社会の中へ派遣することを提言。新しくされた人間が、神に造られた人間らしい生き方を求めて、より良い社会を形成していくのだとし、キリストに従い、福音を証しする教会の働きこそが、まことの平和のための草の根の運動だと訴えた。

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