コプト教会初の会堂取得 関係者ら100人が歴史的日を祝う 2016年8月6日

 日本コプト正教会聖母マリア・聖マルコ・コプト正教会(京都府木津川市)の新聖堂開堂式が7月18日、同教会で開催された。コプト正教会が日本で会堂を取得したのは国内史上初。新聖堂は、もともとカリスチャペル京阪奈教会(村上好伸牧師)が使用していたもので、今年5月から移譲準備を進めていた。カリスチャペル京阪奈教会の閉堂礼拝に始まり、新聖堂開堂式では、村上氏より司教のH・G・ダニエル氏=写真中央=へ会堂の鍵が手渡され、正式にカリスチャペル京阪奈教会の会堂が、日本コプト正教会の新聖堂となった(コプト正教会に関する用語定訳はまだない)。

〝自分たちの言葉で礼拝できる〟

 式典はダニエル司教のあいさつに始まり、日本コプト正教会信徒の子どもたちによるアラビア語の特別賛美、鹿児島と東京から駆けつけたエチオピア人2家族への幼児洗礼式と聖霊の守りを意味する塗油の秘跡が行われた。

 続いて、ダニエル氏に加え司祭のタドロス・サマーン氏、ジョシュア・タドロス氏らによって聖体礼儀が行われ、神父たちがタブレット端末に映る式次第を読む様子も見られた。

 閉会後、同教会3階で懇親会が開かれ、鶴山進栄氏(カトリック京都教区宇治教会司祭)が食前感謝とコプト教会の祝福を覚えて祈った。

 ラウル・ミゲル・シルバ=ロペズ氏(大阪ハリストス正教会副輔祭)や日本聖書協会を代表して総主事の渡部信氏らも列席し、約100人が日本とコプト正教会の歴史的1日を祝った。

 懇親会の席上「お孫さんは何人いますか?」という大学生からの質問に、ダニエル氏は司教職の証である被り物を脱ぎ、十二使徒とイエス・キリストを示す徴を見せて説明し「わたしは独身です。わたしにとっては、ここにいる皆さんが子どもであり孫なのです」と語った。希望者にはコプト正教会に関する100の質問をまとめた英語冊子が配られた。

(子どもの受洗を喜ぶエチオピア人の家族) 

 ラウル氏は「聖マルコの伝統に則った奉神礼であり、聖金口イオアンの伝統にあるわたしたちと違いはありますが、式の流れに沿って理解できました」と述べ、鶴山氏は「何よりもまず教会が、異国において生きるエジプトやエチオピアの人々にとって励ましの場であることを思いました。東京や鹿児島など、遠方から参加されている方もあるので関西だけではなく、全国に慰めと励ましの場があることを願います」とコメント。

 カイロ大学で日本文学を専攻し、2012年に研究のため来日したローズマリ・スライマン氏(早稲田大学国際学術院)は、「今年の1月に日本でコプト正教会が始まると聞いて涙が出ました。他の諸教会と歴史的・言語的違いがあるので、自分たちの言葉と信仰で聖体礼儀を捧げられることが本当に嬉しい。特にコプト語はコプト教徒しか話せませんので、落ち込んだ時にも、自分たちの言葉で礼拝に出られることが感謝です」と喜びの声を上げた。

 コプト正教会は451年の第四公会議における非カルケドン派・東方諸教会とも呼ばれ、指導者は、コプト教皇(アレクサンドリア総主教庁および聖マルコ大主教管区総主教)。現在、エチオピアとシリアの正教会やアルメニア使徒教会と相互領聖関係にある。ムスリムとの平和的共存に尽力し、ムバラク政権と友好関係にあった前教皇シェヌーダ三世(在位1971~2012)の座を、タワドロス二世が第118代として継承した。

 ユーラシア大陸を挟む遠くエジプトから南半球オーストラリアを経由して、日本コプト正教会はその第一歩を踏み出した。(本紙・波勢邦生)

教会住所:京都府木津川市相楽清水2の1

 


 

〝姉妹教会として受け入れて〟H・G・ダニエル司教

 今日は歴史的な日です。なぜなら日本で初めてコプト教会が聖堂を得て始まったからです。日本については2004年ごろから祈っていました。わたしたちの教会は、大阪、鹿児島、広島、鳥取、また東京に小さな集まりがあります。毎月オーストラリアから来て聖体礼儀を行ってきました。シドニーでは二つの司教区、100人を超える司祭たち、60の教会、三つの大学、修道院と5万人の信徒を擁しています。これらは、1967年に一つの教会と一人の司祭から始まったものです。

 現在、タイでの宣教も始めており、孤児院も建設しました。日本でも保護の必要な子どもたちに、暴力や薬物で苦しむ人々に奉仕したいと思っています。また英語クラスも考えています。シドニーから神学生たちがチームを連れて宣教に来る予定です。

 わたしたちは、聖使徒福音記者聖マルコによって伝えられた信仰によるエチオピアやエリトリア、アラビアの兄弟たちとのエキュメニカルな交わりの中にあります。本日の典礼は、コプト語、アラビア語、英語、日本語で行われました。日本の皆さん、わたしたちを姉妹教会として受け入れてください。日本でどのように神にお仕えすれば良いか、教えていただきたいのです。

 わたしたちは素朴な者たちで、まだ日本に来たばかりです。ぜひ同じ神を信じる者としてさまざまに協力してください。日本コプト正教会は、皆さんの教会でもあるのです。ぜひ参列してみてください。わたしたちのことを知っていただきたいのです。イエス・キリストの平和と愛がいつも皆様と共にありますように。

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