未信者の葬儀は遺族に慰め語る 「葬儀から日本宣教」シンポに清野勝男子氏 2016年8月20日

 高齢化が進み、年間120万件を超える葬儀が行われる現在。未信者にもキリスト教式葬儀を展開することで福音宣教を拡大させようと7月18日、「『葬儀から日本宣教を考える』拡大シンポジウム」が御茶の水キリストの教会(東京都千代田区)で開催され、約70人が参加した。「葬儀から日本宣教」実行委員会が主催、東京プレヤーセンター、創世ライフワークス社、ブレス・ユア・ホームが協賛した。

 登壇したのは清野勝男子(せいのかつひこ)氏(日本同盟基督教団土浦めぐみ教会主任牧師=写真)。講演の前半では、未信者の葬儀の意義と注意点を語った。同氏は、「教会葬儀に参列する未信者への教会の対応が不十分」と指摘。教会が未信者の葬儀をする意義は、キリスト者が死をどう受け取るのかを知ってもらうよい機会だと述べた。

 また、教会葬儀に参列した未信者から「葬儀と説教に癒しがなかった」「イエスの死と復活の話を平然とされた」などの批判もあることを紹介。参列した未信者に理解を深めてもらうために、各教会で未信者向けに教会葬儀に関する説明文を用意するとよいと、同教会で作成しているリーフレットを参考に意見した。

 多くの教会が未信者葬儀をしないことを指摘し、その神学的根拠は「誰でも天国に行けると誤解されキリストの唯一性が喪失する」などが挙げられるとした上で、すべての人に注がれている恩恵に基づけば、教会葬儀は可能と強調。未信者も神によって生かされた人であり、葬儀は遺族に慰めを語ると述べた。

 注意すべき点は、「十字架の救い」などに言及しないこと、また天国ではなく、「いのちの創造者のもとへ帰った」と説明すべきと語った。

 同氏は東日本大震災について触れ、遺体が山積する現場で、仏僧は死者の弔いをしたのに対し、牧師は受洗問題が壁となりあまり葬儀を行えなかったと指摘。キリスト教は人の死を取り扱える成熟した宗教になるべきだと訴えた。

 後半では同教会における未信者の葬儀の実例を映像を交えて紹介。また同教会の納骨堂を例に、納骨が縁で未信者家族の宣教につながると語った。

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