東北アジア平和共同体の構築へ 日中韓の宗教者が横浜で国際セミナー 2016年9月24日

 「東北アジア平和共同体構築のための課題」と題して、韓国宗教平和国際事業団(IPCR)の主催する「IPCR国際セミナー」が9月2~4日、立正佼成会横浜普門館(横浜市西区)で開催された(世界宗教者平和会議=WCRP=日本委員会共催)。2009年の初開催以来8回目となる今回は、日本、韓国、中国から宗教者、学者ら約80人が参集した=写真。

 初日の開会セッションで謝辞を述べた大韓聖公会司祭の金光俊(キムグワンジュン)氏(韓国宗教人平和会議=KCRP=事務総長)は、同セミナーの趣旨が北東アジアの平和共同体構築のための課題を考察し、3カ国の宗教者がそのための役割を模索することにあると説明。北朝鮮の核実験やミサイル発射、慰安婦問題、領土問題などを例に、北東アジアが危機的状況にあることを示し、「宗教は国家や人種、理念を超えて人類普遍の平和を志向する共通点を持っている」として宗教者の役割が重要だと指摘した。

 続いて日本聖公会首座主教の植松誠氏(WCRP日本委員会理事、日本宗教連盟理事長)が基調発題。戦後40年間交流を持たなかった日韓の聖公会の関係が、現在では和解と協力のモデルケースとして世界の聖公会でも知られるようになったと語った。

 その要因について、人と人との交流が、両教会の関係修復・和解にとって大きな原動力になったと話し、「自分の言葉で、自分の思いを語り合い、共に祈る中で、互いの存在を認め、受容し合う関係が形成されてきたのではないか」と指摘。東アジア平和共同体の構築も、「そこに生きている人との関係性を築くことから始めたい」と訴えた。

 これに応答した金氏は、10年ほど前から日韓聖公会の交流が若者中心になってきたことを指摘。互いを知ろうとする努力だけでなく、災害時の支援や聖職者の交換によって両者の関係が発展してきたと述べた。「人と人との関係の中で真の和解と平和が成し遂げられる」という植松氏の発題に共感し、「KCRPとWCRP日本委員会が、互いに体でぶつかりながら相手を理解するような関係になれば」と期待を込めた。

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