真生会館の新ビル竣工 記念イベントで若松英輔氏が講演 2016年11月12日

 一般財団法人真生会館(東京都新宿区、理事長=森一弘名誉司教)の新ビル竣工に伴い、10月9~10日、同会館でオープニング記念イベントが行われた。真生会館は、カトリック東京教区司祭の岩下壮一氏(故人)が1934年、財団法人聖フヰリッポ寮として設立された青少年育成施設で、52年からは財団法人真生会館として多くの学生や社会人に学習と交流の場を提供してきた。

 今回、建て替えられた新しいビルは=写真上=地上4階、地下1階建てで、3階と地下のホールは、34年に設立された真生会館にゆかりのある司祭にちなみ、「ネランホール」「岩下ホール」と名付けられた。

 9日の竣工式、「感謝ミサ」、懸賞論文の表彰式に続き、10日には岡田武夫氏(東京教区大司教)、髙祖敏明氏(上智大学理事長)の共同司式により、「はじまりのミサ」がささげられた。

 午後からは、批評家の若松英輔氏=写真下=が「真生会館の昨日、今日、そしてこれから」と題して講演。「今日のカトリシズムが直面する状況は厳しい」と前置きした上で、聖フヰリッポ寮の舎監でもあったカトリック哲学者・吉満義彦や、作家の遠藤周作、井上洋治神父などの言葉を引用しつつ、「真生会館が過去の先人たちに支えられ、未来に開かれた場所であることを確認したい」と述べた。

 また、同会館の果たした役割から「近代、人はなぜ生きるか、いかに生きるべきかを考えてきたが、むしろいかに生かされているかを考える方が重要かもしれない」と提起した。

 続いて、片山はるひ(上智大学教授)、オリビエ・シェガレ氏(パリ外国宣教会司祭)の両氏を交え、森氏の司会によるシンポジウムも行われた。

 同会館では10月から「女性の視点から日本社会を見る」(金曜10時半~12時)、「アウグスティヌス『告白』を読む」(金曜19時半~21時)など、新たな講座もスタートする。申し込み、問い合わせは同会館(℡03・3351・7121)まで。

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