いのり☆フェスティバル2016名古屋 多彩な顔ぶれ一堂に 地元の協力得て実現 2016年12月10日

 教会関係者によるフリーマーケットとして2011年から毎年秋に行われている「いのり☆フェスティバル」(略称=いのフェス)が11月5日、初めて名古屋のウインクあいち(愛知県産業労働センター、名古屋市中村区)を会場に開催された(同実行委員会主催、キリスト新聞社、あいちゴスペルネット、ようがくじ「不二の会」協賛)。「いのフェス」は、キリスト教につながる関係者が教派や企業の「枠」を越えて一堂に会し、互いの活動をシェアしつつ教会内外に発信するというもの。同実行委員会ではこれまで、東京、大阪、神奈川での開催に続き、地方での開催を願っていたが、今年は愛知県下の教会やキリスト教系諸団体を結び、地域伝道の推進に寄与してきた「あいちゴスペルネット」の協力を得て実現に至った。

 今回は地元から名古屋聖パウロ書院(聖パウロ女子修道会)、知的障がいを持つ人々とのコミュニティーを営むラルシュかなの家、障がい者就労支援施設AJU(愛の実行運動)自立の家、牧師・司祭用シャツを販売する牧師用カラーシャツ工房HARCAなどが出展したほか、名古屋でキリスト教葬儀を請け負う有限会社ディーズによる略式模擬祭壇の展示も目を引いた。また、聖書の世界観を活かしたモバイルゲームの開発運営を志す株式会社シナピー、子ども向けの伝道ツールや教材を制作するSOMミニストリーズなど、「いのフェス」ならではの出展者も会場に彩りを添えた一方、無教会、聖公会に属する信徒のブースやキリスト教リサイクルショップ「復活書店」による古書セールなど、過去にも出展経験のあるリピーターの姿も目立った。

 会場内のメインステージでは、ブレッドフィッシュ代表の丸山泰地さんによるワークショップ「実践!教会の情報発信術」、「遠藤周作を読む会」を主催する金承哲さん(南山宗教文化研究所所長)の講演「『沈黙』から50年――今、遠藤周作を語る」、「バイブルハンター」などのイラストを手がけたましうさん、ゲームデザイナーの中村誠さん、「御朱印あつめ」「檀家」など、仏教をモチーフとしたゲームを考案した僧侶の向井真人さん(陽岳寺・不二の会)の3者によるトークライブ「カミとホトケと、時々、ボドゲ」が行われた。

 この日、会場を訪れたのは親子連れを含む約100人の老若男女。告知記事が載った「東海ウォーカー」(角川書店)を見て来たという若い女性や、名古屋での開催を待ち望んでいたという信徒の姿も見られた。開催にあたりキリスト教主義学校や学生団体にも声がけをしたが、初の開催ということもあり期待する反応は得られなかったという。

自身の体験から「発信術」問う

 本紙でも連載を執筆していた丸山さんは、同タイトルのテーマで自ら教会に足を運ぶようになった経緯と、その体験から教会の発信が外部にどう見られているかについて語り、チラシやホームページで陥りがちな失敗を例に、「『自分の書きたいこと』より『相手の聞きたいこと』を優先する」「主語を読み手に変えてみる」など、改善するための処方箋を具体的に解説した。

 金さんは没後20周年を迎えた作家・遠藤周作の生い立ちとエピソードを振り返りつつ、その生涯を理解する上で欠かせないキーワードとして「捨てる(棄てる)」と「母」を挙げ、数ある中間小説の中から『身上相談』と『わたしが棄てた女』の2作品に込められた隣人愛のメッセージや創作の背景について解読。「隣人を愛することを通して神に近づこうとする信仰者としての顔が見えてくる」と述べた。

 続く「宗教とゲーム」を主題としたトークライブでは、ましうさん、中村さんが「聖書コレクション」シリーズ制作の裏話を披露。2014年春以来、全6作を数える同シリーズだが、「学説的な正しさよりゲームとしての面白さを追求できるのはノンクリスチャンの強み」と中村さん。「バイブルハンター」に刺激を受けたという向井さんは、「お経も聖書もいわば設定集。キャラクターや世界観が確立している宗教はゲームにしやすいので、これからも作り続けたい」と意気込みを述べた。これらの模様はすべて動画サービス「ユーチューブ」で視聴できる。

 同実行委員会では、来年以降、他の地域での開催も引き続き検討したいとしている。

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