宗教団体の社会活動を4割が認知 東日本大震災での支援「知らない」が半数 2017年1月21日

 公益財団法人庭野平和財団(東京都新宿区、庭野浩士理事長)は2016年に第3回「宗教団体の社会貢献活動に関する調査」を実施、12月1日に立正佼成会附属佼成図書館(東京都杉並区)で公開シンポジウムを開催し、調査結果を報告した。約50人が参加した。

 同調査は、宗教団体が行う個々の社会活動が、どの程度認知、評価、期待されているかを明らかにすることを目的としている。08年に同財団設立30周年記念事業の一つとして第1回調査が実施され、以降4年に1度実施されてきた。

 第3回調査は16年6月3日~13日に実施。全国の20歳以上の男女3950人を対象に個別面接調査を行い、1185人(30%)から有効回答を得た。

 宗教団体の行う社会貢献活動の認知を問う設問では、「知っている」が42・5%と、過去2回の調査と比較して初めて4割を超えた。活動の中では「教育機関の経営」が36・1%と最も認知度が高かった。活動に対する評価としては、「たいへん立派な活動で、もっと活発に行ってほしい」(23・9%)が最も多く、「平和の増進に関する活動」(36・8%)に最も期待が寄せられた。平和活動が世界平和に貢献しているとする回答も41・6%であった。

 一方で、41・2%が宗教団体の社会貢献活動への参加意識がなく、東日本大震災での支援活動の認知を問う設問では、前回(12年)と比べてすべての項目で回答率が低下。「知らない・わからない」も5割を超え、震災時の宗教団体による支援活動が忘れられつつある現状が明らかとなった。

 シンポジウムでは石井研士氏(國學院大學副学長)が調査結果を発表。同氏をコーディネーターに、戸松義晴(浄土宗総合研究所主任研究員)、稲場圭信(大阪大学大学院人間科学研究科教授)の両氏がパネルディスカッションを行った。稲場氏は、宗教団体の活動に限らず、社会活動全般に対する参加意識が日本社会全体で低下していることを指摘。戸松氏は、認知症など家族の悩みを聞く場を宗教施設に作り、行政と連携していく取り組みが求められていると語った。

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