「和解」テーマに一致祈祷集会 東京・世田谷地区では6教派・3団体が共催 2017年2月4日

 世界教会協議会(WCC)とカトリック教会が「キリスト教一致祈祷週間」と定める1月18~25日、全国各地でエキュメニカルな集会が開催された。今年は宗教改革500周年を記念し、ドイツ・キリスト教会協議会(ACK)作業部会によって招集された同国内委員会が準備を担当した。テーマは「和解――キリストの愛がわたしたちを駆り立てています」。教皇フランシスコの使徒的勧告『福音の喜び』から引用された。

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 東京・世田谷地区では1月15日、「世田谷地区キリスト教一致祈祷会」が日本聖公会東京聖三一教会(世田谷区代沢、髙橋顕牧師=同祈祷会実行委員代表)で行われた。日基教団、カトリック教会、日本聖公会、エバンジェリカル・コングリゲーショナル・チャーチ、日本福音キリスト教会連合、日本バプテスト連盟の6教派20教会と、東京YMCA南センター、恵泉女学園、聖公会神学院が共催。186人が出席した。同地区では2011年から隔年で一致祈祷会を開催しており、今回で4回目となる。

 礼拝では、「石」に見立てた12個の箱が一つずつ壇上に運ばれ、罪と分裂を象徴する「隔ての壁」が築かれた。それぞれの箱には、「愛の欠如」「憎しみと軽蔑」「不当な告発」「差別」「迫害」「失われた交わり」「不寛容」「宗教戦争」「分裂」「権力の乱用」「孤立」「高慢さ」と書かれており、会衆は罪の赦しを祈った。その壁が崩され、希望のしるしである十字架の形に箱が並べ替えられると、会衆は互いに平和のあいさつを交わした。

 説教を担当した北紀吉氏(日基教団松沢教会牧師)は、Ⅱコリント5・14~20から、「キリストの愛」はキリスト者だけでなく、すべての者に対して与えられていると指摘。「キリストがすべての人を代表して、すべての人のために死んでくださったことが、ここで言うキリストの愛」だとし、「苦しみを通して与えられている愛」だと強調した。

 そして、「キリストの痛み、苦しみをもってキリストに仕えようとする。そこでこそ本来の一致がある」「キリストの栄光を表すために、キリストの利益のために仕える。それがキリストの愛を受けた者たちのあり方」だと説いた。

 「和解」については、「キリストの十字架と復活による神との和解がその中心。神と人との和解の務めに駆り立てられている」と述べ、「すべての人が神との和解のうちに入れられる時、すべての人は和解に至る。すべての人が神との和解に満たされる時、本当の意味での平和が成る」と語った。

 当日の献金は、聖公会中東エルサレム教区の働きとして1964年にヨルダンのサルトに設立された「聖地ろうあ子どもの里」、および熊本県内外から約60団体が集まる災害支援ネットワーク「よか隊ネット」のためにささげられた。

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 「キリスト教一致祈祷週間」では毎年、WCCと教皇庁キリスト教一致推進評議会が共同発行した資料に基づいて、日本キリスト教協議会(NCC)とカトリック中央協議会が日本語版の小冊子を作成している。

 同冊子によると、ドイツでは総人口8100万人のうち、5千万人がキリスト者。そのほとんどがドイツ福音主義教会(EKD)に加盟するプロテスタント諸教派、もしくはローマ・カトリック教会に属しているという。

 現在、ACKには17教派が属し、6教派がゲスト会員として参加している。ACK加盟の全教派が集う大会「エキュメニッシャー・キルヘンターク」の第1回(03年、ベルリン)では、欧州教会会議と欧州カトリック司教協議会会議によって作成された「エキュメニカル憲章」に署名。第2回(10年、ミュンヘン)では、「被造物を大切にするエキュメニカルデー」を制定した。

 規模の小さい教派がカトリック教会やEKDと直接向き合える場を維持すること、教派を超えて主の晩餐に共にあずかることができるように一致運動がさらなる成果を上げることが、ドイツが直面するエキュメニカル運動の主な課題だと同冊子は指摘している。

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