「一致」と「伝道」へ祈り合わせて 朝祷会全国連合年頭集会、新会長に岩西映美氏 2017年2月4日

 カトリックとプロテスタントの教職・信徒らが協力して超教派運動を展開している朝祷会全国連合(事務局=大阪クリスチャンセンター事務局内)は1月21日、第46回朝祷会年頭集会を国際基督教団代々木教会(東京都渋谷区)で開催した。「父よ、一つにしてください」の主題のもとエキュメニカル礼拝が行われ、全国から集まった約100人の参加者が祈りを合わせた。

 開会礼拝では、吉本真理氏(国際基督教団代々木教会主任牧師)がヨハネ福音書17・20~26から「一つとなる為の主イエスの祈り」と題して説教。「大祭司の祈り」と呼ばれるこのイエスの祈りは、教会の一致を願う祈りだと述べ、融和が難しい状況にあっても、「神ファースト」(神第一)として、家族や周囲の人々、さまざまな教会・教派の人々と一つになっていくことを祈るべきだと強調した。

 全体会議では、山下佳弘会長の任期満了に伴い昨年実施された会長選挙の結果が報告された。候補者1人のため信任投票が行われ、投票用紙が送られた全国129の朝祷会のうち、投票した77の朝祷会すべての信任を得て、13代目の会長に岩西映美(てるみ)氏=写真右=が就任した。任期は2年。

 岩西氏は1931年生まれ。67年、カトリック阿倍野教会で受洗。カトリック堺教会に転入し、大阪南地区評議会会長などを経て、2012年5月から16年4月まで朝祷会近畿ブロック代表を務めた。初のカトリックからの会長となる。

 吉本、立山忠浩(日本福音ルーテル教会総会議長)、山岡三治(上智大学神学部教授)、松山與志雄(日本エキュメニカル協会理事長)の4氏による司式で行われたエキュメニカル礼拝では、教会間の和解の促進のため、世界平和のため、朝祷運動が世界に広がるため、震災からの復興のために祈りがささげられた。

 「福音によって改革を続ける地元教会の交わり」と題して説教した松山氏は、ルカ福音書15・11~24の「放蕩息子」のたとえから、「教会の一致」と「伝道の推進」は一つに結び付いていると強調した。

 同氏はこのたとえにおける父親を主イエス、下の息子(放蕩息子)を宗教改革で誕生した諸教会、上の息子をローマ・カトリック教会と正教会と捉え、前述のヨハネ福音書17章のイエスの祈りと結び付けて考察。宗教改革で生まれた諸教会と、ローマ・カトリック教会、正教会とは、「教会の一致」と「伝道の推進」を祝う天上の祝宴に招かれたにも関わらず、地上ではイエスの祝宴を500年間拒み続け、互いに論争と対立、分離と分断を繰り返し、戦争と、移民・難民の弾圧や迫害を実行したのだと主張した。

 03年にドイツ・ベルリンで署名された「エキュメニカル憲章」を例に、このような取り組みを実践していく母体は、草の根レベルで進められている地元の諸教会・諸教派の信徒の交わりだと指摘。「朝祷会のような組織こそがエキュメニカルな目的を実現する一番大事な母体」だと述べた。

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 朝祷会は1957年に14人のキリスト者によって大阪朝食祈祷会として始まり、今年で60年を迎えた。今年1月には、15年に刊行された朝祷会の証し集『語り継ぐ信仰』(東海林昭雄編、本体1400円)に続くシリーズ第2集『信仰の醍醐味』(同)がキリスト新聞社より発行された。朝祷会全国連合元会長の米田昭三郎氏を始めとする24人の証しが収録されている。

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