「宗教者に言論の自由を」 米国国家朝餐祈祷会でトランプ大統領語る 2017年3月25日

 米国議会が党派を超えて毎年2月に開催している米国国家朝餐祈祷会が2日、ワシントンのホテルで開催された。現職の大統領が演説を行うことが恒例となっており、65回目の今年は就任間もないドナルド・トランプ大統領が演説。政治家や軍、財界関係者、宗教指導者など4千人以上が参加した。日本からもキリスト教界や政財界から参加者があった。

 大統領のスピーチに先立ち、米国上院議会チャプレンのバリー・ブラック氏(セブンスデー・アドベンチスト教団牧師)が基調講演を行った。アフリカ系米国人で軍チャプレン出身者が米国上院議会チャプレンを務めるのは初。

 同氏は、大統領選ではふさわしい人が選ばれるよう祈ってきたとし、その結果選ばれたトランプ氏を今後も支え祈ることが神の御旨だと主張。旧約聖書のダニエル書の中から、預言者ダニエルがネブカドネツァル王の慢心に対して忠告した話を引用した。

 続いてトランプ大統領が登壇。自身について愛国主義者であると表明した後、イエメンで亡くなった兵士の葬儀に参列したことを明かし、彼らを称えた。

 難民の入国一時停止を命じた大統領令については、宗教の自由を守るための措置であると主張。米国を安全で自由な国にすると訴えた。

 また「ジョンソン修正条項」の撤廃を表明した。1954年に制定されたこの条項は、宗教団体などの非課税組織による公の場での政治的発言の禁止や、政治候補者に対する支持、不支持を表明した場合、免税措置を剥奪するというもの。当時上院議員だったリンドン・ジョンソン元大統領の後押しで成立した。

 トランプ大統領が「信仰の自由とは、信仰の信条に従う自由であり、それを政治の舞台から排除する自由ではない」と述べたことに対し、日本から出席した渡部信氏(日本聖書協会総主事)は、「だからこそ宗教者の発言の自由が法律で規制されるのはおかしいという判断となり、ジョンソン修正条項撤廃という発言になる」と指摘。

 「トランプ大統領は『これからは宗教者にも政治的発言を含む言論の自由を認めつつ、従来通り、免税措置の恩恵も受けられる』というメッセージを、彼の支持層(保守派キリスト教会)に向けて送ったと言えるだろう」と本紙に感想を寄せた。

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