内心の自由奪う「共謀罪」に反対 宗教者が参議院議員会館で緊急集会 2017年4月8日

 犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を政府は3月21日、閣議決定した。それに先立つ17日、「内心の自由を奪う共謀罪はいらない」と訴える「『戦争する国』に反対する宗教者第2回緊急集会」が東京・永田町の参議院議員会館で開催された。平和をつくり出す宗教者ネット(事務局=日本山妙法寺内)が主催したもので、キリスト教からは小橋孝一氏(日本キリスト教協議会=NCC=議長)、大倉一美氏(東京カトリック正義と平和委員会担当司祭)が出席。約70人が参加した。

 平和教育の訴えを各地で展開している藤田秀雄氏(立正大学名誉教授、平和の文化をきずく会代表=写真)が「平和への道――治安維持法と共謀罪の時代」と題して講演した。

 同氏は、1925年に公布され45年に廃止された治安維持法を取り上げ、41年の「改正」によって45年までの間に413人の宗教関係者が検挙され、218人が起訴されたことを解説。中学1年だったという敗戦当時の自身の日記を振り返り、「いつ捕まるか分からない」という恐れから、憲兵に読まれてもよいように、日記の文章を実際とは異なる内容に書き換えていたことを明かした。

 その上で、今回の法案の対象となる犯罪が277に及ぶことを指摘し、盗聴やGPSを使った位置特定が行われることを危惧。「治安維持法の時代よりも国民は恐怖におびえなければならなくなる。そのことが人権や平和を守ろうとするあらゆる動きを封鎖してしまう」として、「あらゆる努力でそれを阻止しなければならない」と訴えた。

 また、戦争のない状態だけが平和なのではなく、「人権の抑圧や貧困のない状態にならなければ決して平和とは言えない」と述べ、「共謀罪」が作られること自体が平和を犯すことだと主張した。

 最後に、抑止論ではなく平和的な対話によって問題解決を図ることが重要だと指摘。基地や原発など人間の命を脅かす可能性のあるものを撤去していくことが平和の道を考える上で必要だと論じた。

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