新しい〝今〟の時代に生きる信仰を 内村鑑三記念キリスト教講演会 2017年4月22日

 内村鑑三記念キリスト教講演会(同運営委員会主催)が3月26日、東京都目黒区の今井館聖書講堂(NPO法人今井館教友会)で開催され、約120人が参加した。文芸評論家の小林孝吉氏(神奈川大学常務理事)=写真、浦和キリスト集会の関根義夫氏が、それぞれ「内村鑑三と再臨信仰――私の無教会信仰への途(みち)」、「『神に帰る』という経験――内村鑑三が見つめていたもの」と題して講演した。

 司会の安彦(あびこ)忠彦氏(神奈川大学特別招聘教授)は開会のあいさつで、新しい〝今〟の時代に生きる信仰を求めて内村鑑三を考えることの意義について言及し、「内村の唱えた『二つのJ』(ジーザスとジャパン)に改めて依拠しつつ、これからの時代の生き方を探りたい」と抱負を語った。

 小林氏は昨年、『内村鑑三――私は一基督者である』(御茶の水書房)を刊行したことに触れ、「今井館聖書講堂という歴史的な場所で講演できることを光栄に思う」と述べた。2012年、小林氏は、安彦氏を通じて内村鑑三の再臨信仰と出会った。その前年の「3・11」は、まさに「文明史的困難」であり、小林氏自身、問いの渦にさいなまれ、生き方そのものが揺らいでいるような感覚を抱いたという。2万人の死者を出し、放射能の被害が終息しない中、日本が残す遺産(メメント)は何かを問うた。

 関根氏は、最晩年の内村が書き残した「神に帰る(CONVERSION)と云ふ恐ろしき霊的実験」の一節を引用し、それは一般的な「経験」ではなく、その人だけの特別の経験であり、他人の真似ではない、ありのままの人生を歩むことであると語った。

 また、会の冒頭に朗読された「人は、新たに生まれなければ、神の国を見ることはできない」(ヨハネ3・3)との一節を想起しつつ、内村の生涯を通じて、十字架の仰瞻(ぎょうせん)、贖罪を強調した。

 終了後の「講師を囲む懇談会」では意見が交わされ、参加者からは「現代日本においてキリスト者の集まりを守ることの意義を『実験』する貴重な時間となった」との感想も聞かれた。

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