原発問題はエキュメニカルな課題 日本キリスト教連合会総会に光延一郎氏 2017年5月27日

 「原発のない世界を求めて、キリスト者として考えるために――『今こそ原発の廃止を』カトリック教会の問いかけから」と題して、光延一郎氏(イエズス会司祭、上智大学神学部教授=写真)が5月9日、日本聖公会牛込聖公会聖バルナバ教会(東京都新宿区)で講演した。日本キリスト教連合会(植松誠委員長)の総会の中で行われたもので、同連合会の議員約20人が出席した。

 昨年10月に刊行された『今こそ原発の廃止を――日本のカトリック教会の問いかけ』(日本カトリック司教協議会『今こそ原発の廃止を』編纂委員会編、カトリック中央協議会)の編纂委員会代表を務める光延氏。同書は、2011年に日本カトリック司教団が発表したメッセージ「いますぐ原発の廃止を――福島第一原発事故という悲劇的な災害を前にして」を根拠付けるために作成された。

 日本カトリック司教団は昨年11月、「原子力発電の撤廃を――福島原子力発電所事故から5年半後の日本カトリック教会からの提言」というメッセージを発表した。光延氏はこのメッセージが「地球という共通の家に暮らすすべての人」に宛てられていることに注目。今年が宗教改革500周年であることに触れ、原発や核兵器の問題は、エキュメニカルな具体的取り組みの課題として大事なものだと述べ、ネットワーク作りの必要性を訴えた。

 その上で、地震が多発し、大規模な津波被害の可能性もある日本では、すべての原発をすぐに廃止すべきだという司教団の立場を示し、メッセージについて解説。15年に公布された教皇フランシスコの回勅「ラウダート・シ」も紹介した。

 また、「復興は人間を中心としたものでなければいけない」と話し、あらゆる人々の協力が必要だと指摘。核エネルギーが「分解させるエネルギー」であることに対し、本当のエネルギーとは人々を結び付けさせるものだとして、「聖霊に促され、それに応えていく人間たちのエネルギーに気付いていくことが大事ではないか」と訴えた。

 日本キリスト教連合会は日本宗教連盟の協賛団体の一つ。昨年9月に日本コプト正教会が入会し、現在55の教派・教会・団体で構成されている。

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