米依存の問題点を指摘 ガルトゥング氏出版記者会見 2017年7月1日

「積極的平和」「構造的暴力」などの提唱者であり社会学者、紛争調停人のヨハン・ガルトゥング氏が6月14日、東京・渋谷で日本における平和問 題について語った。『日本人のための平和論』 (ダイヤモンド社)の出版を発表した記者会見での発言。同書は、「集団的自衛権」「沖縄問題」「北朝鮮問題」などさまざまな問題に直面する日本に向け、平和を取り戻すための方法を示す。

同氏はASEAN(東南アジア諸国連合)を一つの成功モデルと捉え、ロシア、中国、台湾、北朝鮮、韓国、日本の北東アジアの6カ国が地域的国際協力機構を作る案を提言。日本が世界第4位の軍事力を保持し、自衛隊の名称でありながら他国を攻撃する能力のある長距離向けの武器を多数保有している矛盾を指摘した。対外政策から国内政策に至るまで米国に依存している日本の現状を危惧し、歴史についての知識が乏しいことが問題と訴えた。

また今回の出版について、日本人がこれらの問題について対話を活性化させるきっかけとな り、平和な国として独立し、東アジアでの平和の役割を果たせるようになればと語った。 現在の憲法9条については、反戦の憲法ではあるが平和憲法とは言えないと主張。9条に3項を補足し、近隣諸国と良好な関係を結べるよう、積極的平和(貧困、差別などのない状態)や専守防衛のための国防軍を保持していると明言すべきと訴えた。

「キリスト者が積極的平和に向けどのような役 割を果たせるか」という本紙の問いに は「キリスト教はイエスやマリアに見られるようなソフトで温かい面と、断罪する父なる神のようなハードで冷たい面があるが、キリスト者は平和 に向けてソフトな面を活かすべき」と回答した。

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