宗教改革500年に聖書解釈問い直す ルター・セミナーに信徒も参加 2017年7月11日

 ルーテル学院大学の付属機関であるルター研究所(東京都三鷹市)は6月5~7日、「信徒と牧師のためのルター・セミナー」をマホロバマインズ三浦(神奈川県三浦市)で開催した。ルーテル教会の牧師たちに継続した教育と研究の場を与えるため、毎年開催しているもの。今年は「500年の年、ルターに出会う。」と題して信徒にも参加を呼び掛けた。約40人の牧師と信徒が参加した。

 2日目の6日は立山忠浩氏(日本福音ルーテル教会総会議長、都南教会牧師)=写真=が、「ルターと聖書」と題し講義。新約、旧約ともドイツ語に訳し一生その改定に取り組んだルターは、生涯聖書にこだわったと言及。ルター派の人間はルターの著作に目が行くが、その著作の全ては聖書解釈について書かれていることを見落としてはならないと語った。「『聖書のみ』の教義を持つプロテスタントには、『誰が』聖書を解釈するのかという問題がある」「ルター派の人間はルターの解釈をそのまま受け入れているが、ルターは神ではない」と指摘。エキュメニカルな視点に立ち、他宗教との対話を考えた時、洗礼ありきの聖書解釈で対話が成り立つのかと疑問を呈した上で、宗教改革500年を迎えた今、聖書を読み直し、自分たちで解釈していく必要があると訴えた。

 続いて真下弥生氏(ルーテル学院大学、東京神学大学非常勤講師)が、「宗教改革と美術」と題し講義。中世期の宗教美術作品をスライドを通し紹介。またルターは絵画による福音伝道が有効と考えたが、カルヴァンはキリスト教造形作品を作るべきではないとし、この時期宗教美術作品が減ったことなどを解説した。

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