「宗教改革とユダヤ」テーマにシンポ 京都ユダヤ思想学会で一神教研究者ら 2017年7月21日

 京都ユダヤ思想学会(勝村弘也会長)は6月24日、第10回学術大会を同志社大学(京都市上京区)で開いた。午前中の個人研究発表に続き、午後からは公開シンポジウム「ルネサンス・人文主義・宗教改革とユダヤ『ルター95カ条の論題』500周年」が行われ、約50人が参加した。

 伊藤玄吾氏(同志社大学准教授)は企画主旨として、当時のユダヤ人から見たルネッサンスの歴史的状況と文脈を解説。関哲行氏(流通経済大学教授)は「中近世イベリア半島におけるユダヤ人(マラーノ)の移動」と題して、反ユダヤ運動とキリスト教への改宗問題、ユダヤ教内部での終末思想との関連を指摘。

 根占献一氏(学習院女子大学)は「ルネサンスにおけるユダヤ思想――その展開と特質」と題し、イタリア詩文に見られる「愛」とアリストテレス哲学、ユダヤ思想との関連を論じ、村上みか氏(同志社大学教授)は「ルターのユダヤ人理解―近年の研究における新しい視点より―」として、その歴史的文脈と意図をたどり、ルター以後のドイツと「二王国論」の関係を明らかにした。

 手島勲矢氏(日本学術会議連携会員)は「宗教改革とラビ聖書:16世紀ユダヤ文献学の意義」として、スペインから流出したユダヤ人がラビ聖書成立に果たした役割を指摘。当時の「聖書のみ」が意味するところを浮き彫りにした。

 最後に、伊藤玄吾氏が「エラスムスからラブレーへと至る人文主義の一潮流とユダヤ」として、一般に反ユダヤ主義者とされるエラスムスを取り上げ、彼が必ずしもそうでないことを解説。その影響を丁寧に再評価することを提案した。

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