カトリック正平協が2人の死刑執行に抗議 2017年8月1日

 7月13日に西川正勝さんと住田紘一さんの死刑が執行されたことに対し、日本カトリック正義と平和協議会「死刑廃止を求める部会」(ホアン・マシア部会長)は同日、抗議声明を発表した。

(以下声明文)

2017年7月13日の死刑執行に対する抗議声明

 私たち日本カトリック正義と平和協議会「死刑廃止を求める部会」は、世界人権宣言と日本国憲法を尊重する者として、またイエスの愛の教え(福音)を信じ、すべての「命の尊厳」を守るキリスト者として、2017年7月13日に、大阪拘置所の西川正勝さん(61歳)と広島拘置所の住田紘一さん(34歳)に死刑が執行され、その尊い命が国家の手によって奪われたことに対して強く抗議します。

 今回の執行によって、安倍晋三政権下では第一次内閣で10名、第二・三次で19名、あわせて29名の大量の人命が処刑されたことになります。昨年8月に就任した金田勝年法務大臣による二度目の執行になりますが、金田法相が第193回国会中、法相としての資質が疑われるような不正確かつ不誠実な答弁を繰り返していたことは看過できません。異例の手続きと強行採決により成立した、いわゆる「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「改訂組織犯罪処罰法」が7月11日に施行された直後であり、また性犯罪が厳罰化された改正刑法の施行当日にあたる今回の執行には、公平性ではなく、政治的意図の込められた恣意的な死刑制度の運用が強く疑われます。

 実際、西川正勝さんは再審請求中での異常な執行であり、住田紘一さんの死刑判決を巡っても、一般の人が多数決によって被告人の命を奪うかどうかを判断する「裁判員制度」、上告を取り下げることによって不十分な審理のまま死刑判決が確定してしまう裁判制度の不備など、慎重な審理が尽くされたとは決して言えない様々な問題点が存在しています。いずれにせよ、公正な裁判を求める人間、自らの罪を認め悔いる人間を死刑に処したところで事件の本質的解決にはつながらず、むしろ国家による新たな殺人を重ねることで、社会に対して残虐な暴力のメッセージを発することになります。2016年7月26日に津久井やまゆり園で発生した大量殺人事件から間もなく一年を迎える中、私たちは「正義」の名によって行われるこうした殺人を、断じて許すことはできません。

 日本のカトリック司教団は2001年、すべての人が与えられたいのちを十全に生きることができるようにとの願いから『いのちへのまなざし』というメッセージを発表しました。今年、その内容を大幅に書き改めた【増補新版】が発行されましたが、2001年の初版に引き続き、日本のカトリック教会は犯罪者の更生を支える刑法の改正と死刑廃止を求めています。「いのちは神聖であり、したがって不可侵である」という原則は、死刑の問題も含め、いのちの根幹にかかわるすべての問題に当てはめなければならないからです(新版の76項参照)。

 先週、九州地方北部で発生した未曾有の豪雨災害によって、多くの尊い人命が失われ、今なお沢山の方々が不安と悲しみのうちに過ごしています。国家がなによりも行うべきは、人の命を救い、守ることです。人を殺すことではありません。多くの人々が犠牲者の死を悼み、命の尊さに思いを寄せている只中で、国家が死刑によって命の尊厳を踏みにじったことに強い憤りと深い悲しみを覚えつつ、死刑執行の即時停止と、死刑制度の廃止を訴え続けます。

日本カトリック正義と平和協議会
死刑廃止を求める部会
部会長 ホアン・マシア神父

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