日本自由メソヂスト教団 「憲法破壊」の動きに反対 2017年8月1日

 日本自由メソヂスト教団(東大阪市源氏ヶ丘)は、「憲法を破壊し、国のかたちを変える憲法改悪に抗議する」声明を6月18日の教団研修会で採択した。

(以下声明文)

憲法を破壊し、国のかたちを変える憲法改悪に抗議する

人類普遍の原理を柱とする日本国憲法

 政府与党は現憲法を「押し付け憲法」と考えこれに対し「自主憲法」を2020年施行を目指し改憲を加速している。

 戦前の侵略戦争を悔い、平和国家を目指すことを明確にしめした「戦争放棄」「国民主権」「基本的人権」を基本とする内容の憲法の考えは、日本国に平和と繁栄をもたらす歴史的恵沢であり、我々は神の導きと信ずるものである。

 自民党憲法改正草案には先の大戦については加害者としての反省は一言もなく、天皇は「元首」と規定され、国民主権国家とは思えない時代錯誤的表現で始まり、現憲法二章の「戦争の放棄」の規定は削除され、9条には「自衛隊」が明記される。

 現在の政府見解では自衛隊は「必要最小限の実力部隊」と規定されていて憲法によっても否定されない「個別的自衛権」で「戦力」にあたらない。

以前の改憲案にあった「国防軍」との表現は変わったが、今までの「専守防衛」を止めようとの本音があらわれている。その任務には「公の秩序を維持」するためにデモ鎮圧に出動が可能になり、さらに軍事機密保護を名目に文民統制は不可能と予想される。憲法に明確に規定されることにより将来「徴兵制」に道を開くことが危惧される。

 草案13条では「個人として尊重される」が削除され近代憲法の考えは無くなり「公益および公の秩序」が優先され、表現の自由も「公益及び公の秩序」に反するものは認められない。

 24条には新たに「家族」に関する条項が登場し「公共の福祉」の考え方は削除されてしまう。今日家族が解体されそれに伴う様々な問題が続出している時代に我々が目指すべき方向は家族の再構築である。我々キリスト教会は福音宣教における愛の奉仕の働きとしてこの分野に包括的取り組みを獲らねばならない。

最近政権与党の重鎮の中から「自民党は立党の当初から党是として憲法改正を掲げている」というのは誤りであるとの指摘がなされた。安倍政権という国民と乖離した感覚と持つ「不思議な政権」が独裁的に国のかたちを変えていこうとする手法は極めて危険である。

 我々キリスト者はイエス・キリストの罪の赦しと愛による歴史の再生を信ずるものとしてこのような様々な改悪が盛り込まれた憲法破壊とも言える動きに心から反対するものである。と共に現憲法を活かす「活憲」(*)に力を注ぐべきである。

 

    2017年6月18日 教団研修会において

                               日本自由メソヂスト教団

 

(*)「改憲問題とキリスト教」(稲垣久和、教文館)より引用

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