平和の実現に向けて 日本聖公会がメッセージ 2017年8月11日

 日本聖公会の植松誠首座主教(写真)と、「正義と平和委員会」の上原榮正委員長は7月31日、「8・15平和メッセージ」を発表した。

(以下メッセージ)

み心が行われますように。み国が来ますように。(主の祈りから)

主にある兄弟姉妹の皆さまへ

主の平和が皆さまと共にありますようにお祈りします。
2017年8月15日、日本は72回目の「戦後」を迎えます。
わたしたちはこの日、過去の過ちを悔い改め、日本の侵略によって傷つき、痛みと悲しみを抱いているアジアをはじめ近隣諸国の人々との和解と癒しを祈り、同じ過ちを繰り返さないようにと祈ります。
そして、また今も戦争によって傷つき苦しんでいる人々を覚え、犠牲となった多くの魂の平安を祈り続けていかなければなりません。

しかし今日本は、戦争の記憶の風化と共に、再び自国防衛の名のもとに、戦争への備えが着々と進んでいます。
この数年の間に国会では、安全保障関連法、特定秘密保護法、防衛装備移転3原則などが制定され、実質的には戦争ができる国となりました。
そして今国会では、「国家治安維持法」を彷彿させるような「共謀罪」が名称を変えた、「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法案が、強行採決されました。
また秋の臨時国会では、国の根幹に関わる平和憲法第9条の改憲も論じられようとしています。

この先にあるのは、自国の安全と国民の生命、財産を守るためといいながら、それらも脅されかねない戦争です。
戦争になれば、自国の生命、財産を守るために、人を殺し、人が殺されます。また、殺させられます。
戦争が起きれば、多くの犠牲と大きな被害が生じます。
そして、問題の解決よりも、憎しみと報復の連鎖が無限に続くことになります。

わたしたちクリスチャンは、イエスさまの教えられた「主の祈り」を唱えます。
祈りの中で、「み心が行われますように、み国が来ますように」と祈ります。
神さまのみ心は何でしょうか、神さまのみ国とは、どのようなところでしょうか。
互いに愛し合い、赦し合い、信頼し合い、争うことなく、喜びと感謝を持って、自由に平和に生きる世界ではないでしょうか。

終戦(敗戦)から72年目を迎えた今日、「二度と戦争を起こしてはいけない」という戦争経験者たちの声を深く心に刻み、「み心が行われますように、み国が来ますように」の祈りの中で、私たち日本聖公会の聖職・信徒が、日本で、また世界で、「平和の器」として、平和の実現のために身も心も捧げて働く者となれるように祈ります。

平和の主のお導きと祝福が皆様の上にありますように。
主にあって

日本聖公会首座主教  主教 ナタナエル 植松 誠
正義と平和委員会 委員長 主教 ダビデ   上原 榮正

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