「歴史を違った語り方で」 日本基督教学会 宗教改革を問う 2017年11月1日

 日本基督教学会(片柳榮一理事長)では9月29~30日にかけてルーテル学院大学(東京都三鷹市)で、「宗教改革とポスト近代(宗教改革500年を記念して)」と題し、学術大会を開催、2日合せて240人が参加した。

 初日の特別講演に登壇したのは、神学博士のテオドール・ディーダー氏(ストラスブール・エキュメニカル研究所所長)。「宗教改革とエキュメニズム その到達点、課題と展望」と題した講演で同氏は、16世紀に始まったルター派とカトリックの分裂から、昨年10月31日にスウェーデンのルンドで行われた、カトリック=ルーテルの共同司式に至るまでの歴史的出来事を解説。それをふまえ『争いから交わりへ』(2013年、ルーテル=ローマ・カトリック委員会)の文書から「過去それ自体は不可変であるが、現在における過去の現在形の仕方は変えることができる」「大切なのは違った歴史を語るのではなく、この歴史を違った仕方で語ること」を引用、「みなさんは同じ道を歩んでいる世界の家族に加わることができる」と参加者に呼びかけた。

 翌日のシンポジウムでは、大澤真幸氏(社会学者)、江口再起氏(ルーテル学院大学教授)、深井智朗氏(東洋英和女学院院長)、西原廉太氏(立教大学教授)が登壇=写真。大澤氏は「予定説ほど人間の自由を否定している思想はないが、歴史上予定説を信じるプロテスタントが最も自由を行使し、資本主義に貢献した」と言及。「予定説は近代を生み出す原動力になったが、予定説の中に取り残されたキリスト性もある。それを取り戻した時に宗教改革、キリスト教の核の部分はポスト近代を超える思想として甦るのではないか」と問いかけた。

 江口氏は「ルターの脱構築」、深井氏は「宗教改革と過ぎ去らない近代」、西原氏は「アングリカニズムの立場から」と題し、それぞれの立場から宗教改革とポスト近代の関連性を提起した。

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