核兵器廃絶と軍縮をめぐり バチカンで国際シンポジウム 2017年11月21日

 11月10日、バチカン(ローマ教皇庁)のシノドスホールで「核兵器のない世界と統合的な軍縮に向けての展望」をテーマに、国際シンポジウムが2日間の日程で開催された。

 バチカン放送(日本語電子版)によると、シンポジウムには、モハメド・エルバラダイ国際原子力機関前事務局長らノーベル平和賞受賞者や、中満泉国連事務次長・軍縮担当上級代表ら国連関係者、NATO関係者、ロシア・米国・韓国・イランなどの外交代表、研究者、諸宗教関係者らが参加した。また、日本における原爆の被爆者とすべての核実験による被害者を代表し、日本原水爆被害者団体協議会の事務局次長、和田征子さんが招かれ
た。

 教皇は10日、バチカン宮殿でシンポジウムの参加者らと接見。あらゆる核兵器の使用が人間と環境にもたらす破壊的な影響を考える時、非常な不安を感じざるを得ないと述べ、こうした武器が何らかの誤りで爆発する危険をも考慮し、それらの使用をめぐる脅威はもとより、その所有自体も、断固として非難すべきと話した。

 国際関係は武力や、相互の威嚇、軍事力の顕示によって統治することはできず、特に核兵器などの大量破壊兵器は、偽りの安心感を生むだけで、連帯の倫理に育まれた人類の平和的共存の基礎を築くことはできないと語った。

 教皇は、広島と長崎の被爆者や、その他の核兵器実験の被害者の証し、その預言的な声が、特に新しい世代への警告となるようにと要望した。こうした状況の中にも、健全な現実主義は今日の秩序を失った世界に希望の灯を灯し続けていると教皇は述べ、国連本部で「核兵器禁止条約」が多くの参加国の賛成を得て採択されたことを歴史的な出来事として位置づけた。(CJC)

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