【伝道宣隊キョウカイジャー+α】 教会はフォトジェニック キョウカイブルー 2017年12月1日 

 本紙10月21日付の1面を見て驚いた!! 岡山県の教会にコスプレイヤーが集結して写真撮影をしたというのだ。本物の教会がコスプレ撮影の場所として利用される新時代が到来したことに深く感動を覚えた。

 コスプレイヤーとは、コスプレをする人たちのこと。コスプレとはマンガやアニメやゲームなど架空の作品内に登場するキャラクターの格好に扮する行為である。「仮装大会」と言ったら叱られるかもしれない。もちろん架空の存在が現実に登場するのだから、現実世界では違和感がある。しかし、このたび開催された「いのり☆フェスティバル」において、教会がコスプレ会場となったことで、教会堂が架空の世界観へと誘い込む装置の一つとして機能したのだ。教会堂が架空の登場人物と現実世界の違和感を取り除いたということになる。

 本物の教会というのは良くも悪くも異世界なのかもしれない。コスプレイヤーにとっては、このことが最大の魅力になっている。異世界のキャラクターが非日常を象徴する教会を背景にして撮影されるものは「作品」である。この「作品」は、キャラクターの理想的な世界観に近づけられるものであったり、これまでの「作品」には得られなかった価値が与えられたものである。

 わたしたちの日常そのものである教会は、改めて見つめ直すとフォトジェニックな(写真映えする)空間だ。このようなフォトジェニックな空間を背景にして自分や好みのものを撮影し、SNSに投稿する文化が広まっている。その代表的なSNSサービスにインスタグラムがある。俗に言う「インスタ映え」というのは、フォトジェニックをねらった投稿のために趣向を凝らして見映えのする写真を撮影することだ。

 長らく教会生活を送っているとそれは普段であり、日常であり、当たり前の空間になっている。しかし、その空間こそがインスタ映えする素材そのものなのだ。

 わたしたちは教会の宣教のために努力を続けてきたにもかかわらず、わたしたちの日常空間に外部の人はなかなか足を踏み入れてはこなかった。それこそ、ハードルが高い、敷居が高いとさんざん言われてきた。これまでの教会は、外部の人にとっての異世界であり続けた。だからこそ、地域に「開かれた」教会という反語をうたい上げて宣教活動を続けてきたのではなかったか。

 けれども、岡山教会を「本物の教会」として高く評価し、そこで撮影することを「貴重で価値のある体験」であると受け止めた若い人たちによって、教会は再発見されたのだ。これはわたしたちが内側からしたくてもできなかったことではなかっただろうか。教会には若者を惹きつける価値が確かにある。それはフォトジェニックで
あるということだ。オルガン、色のついたガラス窓、設置して何十年も経過した手すりや階段、ステンドグラス、煉瓦積みや石積みの壁、長いすなどの木彫家具など、すべてがフォトジェニックだ。

 教会で意識されていない日常空間のあらゆる部分に美しさが宿っていることを、他ならぬコスプレイヤーたちが見抜いたのだ。わたしたち自身が、その美しさを発信しないということは、非常にもったいないことではないだろうか。幸いにも今の時代は画像の発信が簡単にできる。今こそインスタグラムでフォトジェニックな教会の情報をどんどん発信しよう。

キョウカイブルー
 青葉良好(あおば・りょうこう)革新的なテクノロジーには目がないインテリ系電脳牧師。クールに見えて実はツンデレ。電子機器を駆使して仕事をどう能率良くできるか、いつも考えている。メンバー内では最年長。武器:最新型タブレット「なんでもできるホン」/必殺技:プチニンノーダー(整理整頓)/弱点:新型ガジェット

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